【こんな人】小山内美江子さん「金八先生」降板はテレビ局との意見相違 教育への思い本物だった
<こんな人> TBS系ドラマ「3年B組金八先生」シリーズの脚本を務めたことで知られる脚本家の小山内美江子さん(本名=笹平美江子、ささひら・みえこ)が94歳で亡くなったことが10日、分かった。長男の俳優利重剛(61)が自身の公式ホームページで発表した。横浜市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。 【写真】小山内美江子さん、長男の利重剛、妻の元プリプリ今野登茂子、孫ののどかちゃん ◇ ◇ ◇ 小山内さんは映画のスクリプター(記録係)としてスタートを切った。監督の脇で、シーンのつながりや秒数をチェックする仕事で、どんな巨匠もその直言には従う。女性であることで当時監督への道を断たれた彼女は、その一番近い場所で初志を貫いた。ここで映像作品の基本を学び、はっきりものを言う姿勢を身に着けたのだと思う。 代表作の「金八先生」の脚本を第7シリーズ半ばで降板したとき、テレビ局側は体調不良と発表したが、後に本人は作品内容に意見の食い違いがあったことを明かしている。教育現場の「現実」を映すことにこだわった小山内さんは、企画書にあった中学生の薬物使用の描写などを「非現実的」と受け入れられなかったのだ。 晩年はNPO法人の代表理事としてカンボジア各地に校舎を建設。私財も投じた。「金八」を通じた教育への思いは本物だった。【相原斎】