大揺れの自民党。派閥の解散は「勝負師・岸田」爆誕の号砲なのか!?
■大物同士があわやつかみ合いの大ゲンカ 当然、岸田首相の大バクチで党内は大混乱に陥り、派閥解散後の〝落ち着き先〟を求めて議員たちは右往左往した。茂木幹事長の後援会関係者が証言する。 「ある日、付き合いのない安倍派の議員から電話がかかってきました。何事かと聞くと、『派閥を維持する見込みの茂木派に加入したいので、茂木幹事長を紹介してくれないか』というんです」 安倍派では派閥解散にとどまらず、萩生田光一前政調会長ら幹部5人に対し離党要求の声が上がっている。さらに、安倍派=清和会を創設した福田赳夫元首相の孫である福田達夫元総務会長(衆院)が同派の中堅・若手30人以上の議員を引き連れて新グループ結成を宣言するなど、結束もないボロボロの惨状だ。 ところが、この安倍派議員が駆け込み寺のように頼った茂木派も、数日後には泥舟と化した。派内のエースだった小渕優子選対委員長が、党の政治改革大綱に「党役員の派閥離脱条項」があることを名目として派閥を離脱。この動きに同調して、関口昌一参院会長ら4人の参院議員も退会してしまったのだ。 「退会に先立つ1月23日には、茂木さんが自分の頭越しに派内の参院有力メンバーに派閥解散の可能性を相談したことに関口さんが激怒し、あわやつかみ合いの大ゲンカを演じています。これほどガタガタの状態ですから、今後も退会は続くでしょう(編集部注:1月30日時点で大臣経験者ら衆院2人が退会)。 表向き解散するかどうかにかかわらず派閥の分裂・縮小は確実で、茂木さんの次期総理候補という地位も危うくなってきました。ちなみに『茂木派も解散を検討』というニュースが流れると、例の安倍派議員からは『あの話はなかったことに』と断りの連絡が入りました(苦笑)」(後援会関係者) 一方で、この混乱を千載一遇のチャンスととらえる動きもある。党内では一匹狼扱いの高市早苗経済安保担当大臣が1月27日、長野県で行なった講演で、2025年大阪万博の延期論を突然ぶち上げたのだ。 「少なくとも現状では、万博は予定どおりに実施するというのが岸田政権の公式方針。この発言は閣内不一致と指摘されかねず、本来であれば辞職ものです。 ただ、安倍派の右派議員を中心に、高市氏を次期総裁に推そうとの動きも出ている。いち早く万博の延期論を発信することで、総理・総裁候補としての存在感をアピールしようとの計算でしょう。事実上の総裁選出馬宣言という見方もあります」(前出・自民党番記者)