獅子なだめる天狗勇壮に 高森町吉田神社で春祭り【長野県】
長野県高森町吉田の吉田神社で16、17日、春祭り「春季祈年祭」が開かれ、伝統の獅子舞を奉納した。 五穀豊穣、災害消除、里人安穏などを願う祭りで、保存会の獅子部、囃子部、雅楽部をはじめ、氏子総代、認定こども園ぱどま、公民館などでつくる実行委員会と、多くの区民の協力で毎年3月に開催している。 17日の本祭では屋台獅子が神社境内まで練り歩き、午後3時に拝殿から天狗が登場すると祭りの熱気は最高潮に。獅子を見つけた天狗はゆっくりと距離を縮め、眠った獅子に綱を打つと暴れる獅子から身をかわしつつ羽うちわで獅子をなだめた。 地元の小中学生らが参加する「子ども獅子笛隊」の笛の音に合わせ、園児が手作りの獅子頭で舞の披露も。子ども獅子舞の熱演が周囲の拍手を誘った。 対象年齢を引き下げて5年ぶりの復活となった「浦安の舞」奉納は、小学6年の舞姫6人が雅楽の生演奏に合わせて優美に舞った。 吉田伝統芸能保存会の光沢文登会長(71)は「後継者不足といった課題はあるが、コロナ前の形で開催することができた。地域に残る貴重な伝統芸能であり、知恵を出し合って残していきたい」と話していた。