「一般旅券返納命令書」には何が書かれている?
「シリア渡航を計画した」として外務省からパスポート返納命令を受けた新潟県のカメラマン、杉本祐一氏が12日、都内で会見を行った。日本で初めて旅券法の邦人保護規定を適用した事例だが、命令にあたって発行された「一般旅券返納命令書」には何が書かれているのか? 実物を見てみよう。 「返納しない場合は逮捕する」パスポート返納のカメラマン杉本祐一氏の記者会見、配布資料全文
返納命令書はA4版で、旅券法第19条第1項第4号の規定にもとづき、岸田文雄外務大臣名で発行されている。返納すべき旅券を旅券番号とともに指定し、返納されなかったときは「旅券法第23条第1項第6号の規定により罰せられることがあります」と記されている。異議申立てと取り消しの訴えについても触れており、前者は処分を知った日の翌日から「60日以内にしなければなりません」とし、後者は「国を被告として処分の取り消しの訴えを提起」できるとしている。 返納すべき理由も記載されている。杉本氏の場合は3項目で、次のとおり。 (1)外務省が退避勧告を出しているシリアに、同省が説得しているにもかかわらず、渡航の意思を固持していること (2)シリアに入国すれば生命や身体に危険性が及ぶ可能性が高いこと (3)旅券法に規定する「渡航を中止させる必要があると認められる場合」に該当すること また、返納にあたっては、いわば領収書のような「一般旅券受領書」という文書も発行されており、文書には「貴殿に対し返納を命じた下記一般旅券を受領しました」と記載されている。