さるはじきで厄をはじこう 三重・松阪 初午大祭向け伝統玩具、製作中
時計屋なかの、家族で役割分担
松阪三大祭りの一つで3月1、2日に行われる三重県松阪市中町の岡寺山継松寺の初午(はつうま)大祭を前に、同町の時計屋なかの(中野良一店主)で、県指定伝統工芸品の竹製玩具「さるはじき」作りが進んでいる。 さるはじきは、竹の棒に通した猿の小さな人形を竹製のばねではじく玩具。先端は鳥の羽根などで飾られ各地に伝わる。昔から厄をはじくとされ初午大祭の参拝者らが縁起物として求めている。 時計屋なかのでは、初代の故・元良さんが時計職人の技術を生かして1946(昭和21)年から作り始めた。当時は1メートルほどの大きなものが主流だったが、次第に小型に。 今年は昨年11月に切り出した竹で、元良さんの孫で3代目の良樹さん(45)が本体を作り、父の良一さん(77)と母の潮美さん(72)が、ばねや飾りなど役割を分担し、2千本を目標に作業。サイズは主に45センチと卓上型の15センチ。数年前から、猿の人形に松阪木綿の衣装を着せた「藍あそび」や、卓上型に松阪もめんのタッセルをつけた「車の友」なども作っている。 良樹さんは「厄も疫病もはじいて明るい年になってほしい」と願いを込める。