200万円ちょっとで手に入るWR-Vは、昭和のホンダ魂が宿っていた!
ぶんぶんエンジンを回して、燃費はどうだった?
エンジン 形式:1.5L直列4気筒DOHC 型式:L15D型 排気量:1496cc ボア×ストローク:73.0mm×89.5mm 圧縮比:10.6 最高出力:118ps(87kW)/6600pm 最大トルク:142Nm/4300rpm 燃料:レギュラー 燃料タンク:40L 実際に乗ってみると正に昭和だ。モーターも電池も搭載していない1.5LVTEC・DOHCユニットは吹け上がりが軽く、4000rpmを境に密度のあるサウンドに変わると同時に、加速度がアップ。CVTとの組み合わせながら6500rpmまで一気に加速させた直後にストンと5000rpm前後に落としてパワーバンドに乗ったまま加速し続ける。MTに乗っているようなメリハリの良いシフトアップを繰り返し、パワーピークを常に捉えていることから右足に対するレスポンスも良く、純エンジンの気持ちよさを満喫できる。 もっとも1230kg(Z)のボディに118psのパワーだから、決してパワーに余裕があるわけではない。気がつけば3桁のスピード域まで達するものの、その間は純エンジンならではの軽快な吹け上がりと、サクサクとシフトアップしていくCVTの気持ちよさで感動体験をしているに過ぎない。免許を取りたての頃に乗ったサニーやシビックのちょっと運転がうまくなった気分をWR-Vで味わえるのだ。 客室内寸 長×幅×高:1955mm×1460mm×1280mm それを支えるのは重量バランスの良さにもある。ボンネット内には1.5・L4気筒の純ガソリンエンジンがちょこんと収まっているだけだから、フロントが軽い。ロックtoロックが3.5回転もあるステアリングレシオによって低速ではハンドル操作が忙しいものの、高速域では操作に対して遅れがなくて正確。車線変更やインターの出口などでスムースにラインをトレースしていってくれる。 重量感は薄くて路面の変化は正確に拾いやすく乗り心地はちょっと固めに感じるものの収まりは良い。背が高いにもかかわらず、ボディの揺れが残らないから、遠慮なくコーナーへアプローチしていけるし、速度維持もしやすい。ボディの軽量感と、回して楽しめる純エンジンとの組み合わせは、重量モデルがひしめくSUVのなかではとっても新鮮だし、昭和に残してきた若々しいホンダの切れ味を実感。 ブリヂストンTURANZA T005A 燃費だってモーターも電池もないけど、その分軽いから、200km近くの高速ドライブと加減速を繰り返すような走りをしてもモード数値とほとんど変わらぬ15.1km/Lをマーク。軽快な吹け上がりによるパワーフィールを見せてくれた上に100km/h走行時は1500rpmで巡航し、回して走るワインディングから高速まで幅広く燃料消費を抑えてくれることも純エンジンの魅力に違いない。 ちょっと無骨で色気も感じにくいけど、室内は広くてラゲッジスペースもたっぷり。ゆとりあるロードクリアランスによって道を選ぶこともなく、今求められている性能をすべて満たしてくれて、200万円ちょっとで手に入る。クルマ生活を楽しむエントリーモデルに加えて、走りを楽しむ1台としての魅力もある。今のクルマに求められているものって、WR-Vの持つ性能で十分。インドで生まれたクルマは、昭和のホンダ魂が宿っていた。 ホンダWR-V Z 全長×全幅×全高:4325mm×1790mm×1650mm ホイールベース:2650mm 車重:1230kg サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rトーションビーム式 駆動方式:FWD エンジン 形式:1.5L直列4気筒DOHC 型式:L15D型 排気量:1496cc ボア×ストローク:73.0mm×89.5mm 圧縮比:10.6 最高出力:118ps(87kW)/6600pm 最大トルク:142Nm/4300rpm 燃料:レギュラー 燃料タンク:40L 燃費:WLTCモード 16.2km/l 市街地モード:12.3km/l 郊外モード:17.2km/l 高速道路モード:18.0km/l トランスミッション:CVT 車両本体価格:234万9600円 メーカーオプション:Honda CONNECT for Gathers+ナビ装着用スペシャルパッケージ/LEDフォグライト/本革巻ステアリングホイール+セレクトレバー/リアセンターアームレスト(ドリンクホルダー付)/パーセルカバー/コンビシート/17インチアルミホイール ディーラーオプション:フロアカーペット4万0700円/ドライブレコーダー3万7400円/9インチHonda CONNECTナビ20万2400円/ETC2.0 1万9800円 オプション込み価格:268万8400円
瀨在 仁志