イチローか、Rジョンソンか、古巣マリナーズで「51」の永久欠番論争
しかし、前述したようにマリナーズの「51」には、もう一人のレジェンド、左腕エースのランディ・ジョンソンがいる。45歳まで投げ続け、通算303勝、166敗、防御率3.29。サイヤング賞5回。すでに米野球殿堂入りを果たしている。 ジョンソンはエクスポズからドラフト指名され、メジャーデビューを果たしたが、1989-98年までマリナーズで投げた。その後、アストロイズ、ダイヤモンドバックス、ヤンキース、ダイヤモンドバックス、ジャイアンツでプレー。イチローとチームメートになったことはない。 ジョンソンは、ダイヤモンドバックスでは2001年ワールドシリーズ優勝の原動力となり、当時37歳ながらサイヤング賞のほか、ワールドシリーズのMVPにも選出された。 ダイヤモンドバックスの決断は早かった。ジョンソンが2015年に米野球殿堂入りを果たした直後に、「51」を球団の永久欠番にすると発表したのだ。 すでにジョンソンは他球団で永久欠番になっているのだから、イチローの「51」が優先されそうなものだが、メジャーでは複数の球団で永久欠番になっている選手も少なくない。2016年2月22日付けのFOXスポーツの記事よると、ジャッキー・ロビンソンを含めると過去に12人もいるのだ。 今回記事を掲載した「ザ・スポークスマン・レビュー」は「イチローとランディ・ジョンソンの(永久欠番の)セレモニーを同時に行うと、2人ともプライドを傷つけられないと思うかもしれない」という奇策を提案している。 実は、ひとつの永久欠番を2人の選手が共有しているケースもメジャーでは3つある(ジャッキー・ロビンソンの42は除く)。 ヤンキースのビル・ディッキーとヨギ・ベラの「8」、カブスのグレッグ・マダックスとファガソン・ジェンキンスの「31」、そしてナショナルズのアンドレ・ドーソンとラスティ・スタウブの「10」だ。 しかも、ヤンキースのディッキーとベラの「8」は、1972年に同時に永久欠番となっている。 マリナーズの「51」の永久欠番論争の決着は、2人同時ということになるのかもしれない。