GAKU-MCと桜井和寿がつないだ「フットボールと音楽」の輪 ウカスカジー、MIFAを生んだ素敵な出会い<RS of the Year 2023>
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)、ラグビーワールドカップ、サッカー・FIFA女子ワールドカップ、世界陸上、バスケットボール・FIBAワールドカップ……数々の世界大会が開催され、多くのアスリートの活躍に心揺さぶられる1年となった2023年。一方で、小野伸二さん、石川佳純さん、岩渕真奈さんなど、長く第一線で競技を背負ってきたレジェンド選手たちが現役引退を決意したことも印象的な一年となった。そこで、結果や勝敗だけではないスポーツの本質的な価値や魅力を伝えてきた『REAL SPORTS』において、2023年特に反響の多かった記事を振り返っていきたい。今回は、“音楽とフットボール”を柱にした活動を続けるラッパー・GAKU-MCさんのインタビュー記事だ。 (2023年5月12日公開) =================================
2012年に“音楽とフットボール”を柱に、人と人をつなげていくという目的で立ち上げられた団体「MIFA」。一瞬、国際サッカー連盟も連想するこの英語の4文字は「Music Interact Football for All」の略で、「音楽とフットボールの有機的融合」との意味を持つ。Mr.Childrenの桜井和寿とラッパー・GAKU-MCによるユニット「ウカスカジー」の音楽活動や、全国4施設でのフットボールパーク運営、そしてサッカーと音楽を絡めた社会貢献活動をメインに活動している。この団体を立ち上げた発起人であるGAKU-MCに、MIFAの生まれた理由、二つの変わらぬ軸、そして現在の活動について話を聞いた。 (インタビュー・構成=中林良輔[REAL SPORTS副編集長]、写真提供=MIFA)
夢のスタート地点。豊洲「MIFA Football Park」誕生
――MIFAの所属アーティストであり発起人のGAKUさんが、MIFAを立ち上げたきっかけについて教えてください。 GAKU:僕もそうですし、桜井(和寿)もそうですけど、音楽を生業としながら、趣味であるサッカーからいろいろいい影響をいただいています。サッカーをプレーすると仕事で煮詰まった頭を解きほぐしてくれますし、フラットな友人ができますし、健康にもなります。これは絶対サッカーに恩返ししなきゃいけないよね、と。それならまずは「サッカーやフットサルと音楽を絡めたイベントをやってみよう!」と思い立って始めたのがMIFAのスタートです。 ――最初から団体として立ち上げられたわけではなく、単発のイベントからのスタートだったのですね。 GAKU:はい。いろんなイベントを企画していく中で、「音楽とサッカーいいな」ととてもしっくりきたんです。じゃあ、組織として立ち上げようとなった時に桜井も本気で「やろうやろう!」と言ってくれて、MIFAという団体を立ち上げることになりました。 そこからいろいろな計画を立てていた中で、ある日、「MIFAってどういうふうになると理想的なんだろう?」という会話をしていた時に、桜井が「いつかMIFAスタジアムつくりたいよね」って言い出したんです。 「そこにはサッカーはもちろん、公園もあって、ライブハウスも併設していて、みんなが楽しめるスタジアム」 まだ何も始まっていないし、事務所すらない時に。さすが、スタジアムでライブする人の発想は違うなと尊敬しましたし、その発想はなかったので心底驚きましたね。 「じゃあ、われわれが求めるスタジアム像にたどり着くには?」と考えたら、「まずはフットサル場の運営から学んでいこう!」と。そこからみんなで不動産屋を巡り歩いて、いろいろないい出会いも重なって、東京・豊洲の「MIFA Football Park」が誕生しました。