消えゆく“街の本屋さん”を国が支援へ 一方の大型書店は新たな取り組み「御書印」で生き残り図る 福岡
FBS福岡放送
電子書籍の成長などもあり、書店にとって厳しい状況が続く中、“街の本屋さん”を支援するために国が動き出しました。一方、集客に苦戦する福岡の大型書店では生き残りをかけ、ユニークな取り組みを始めます。
皆さんは“本屋さん”に行きますか? ■福岡市の18歳 「行かないです。スマホで見られるから。」 ■福岡市の19歳 「スマホアプリです。」 ■北海道の55歳 「行かないですね。やっぱりスマホかなと思います。(最後に行ったのは)何年も前かな。」 ■篠栗町の58歳 「よく行きます。ずいぶん前になりますが、本屋さんが『これで篠栗から本屋がなくなります』と言っていたのがすごく印象に残っている。」
全国の書店の数は2004年度におよそ2万店ありましたが、2月の時点で1万960店と、20年でほぼ半減しています。 特に福岡県内は10年前に比べると、3割近く少なくなっています。
その一方で、本の推定での販売金額の推移はほぼ横ばいの状況が続いています。 その内訳を見ると『紙』の出版物は減少しているのに対し、電子出版物は増加していて、“本離れ”が進んでいるというわけではなさそうです。
経済産業省によりますと、週刊誌などの雑誌の販売は厳しい状況が続いていて、漫画も紙から電子へと移行していることなどが、中小書店の経営を圧迫していると考えられるということです。 こうした状況に斎藤経済産業大臣は危機感を示し、街の書店を支援する「書店振興プロジェクトチーム」を立ち上げると発表しました。 ■斎藤経産相 「そこに出かけることによって新しい発見があって、視野も広がる。いち中小企業の問題ではなくて、まさに日本人の教養を高める、一つの基盤だと思っています。」
こちらは福岡県糸島市で60年以上続く書店、大石金光堂です。 ■阿部まみフィールドキャスター 「こちらの書店、入ってすぐたくさんの本が並んでいます。ファッション雑誌に、福岡にちなんだ本もあります。」 雑誌や漫画、児童書など、およそ1万3000冊を取り扱っています。今回の国の取り組みについて聞きました。 ■大石金光堂・大石宏典さん 「地方書店が苦しんでいる悩みの趣旨を、幅広くすくい上げて検討してもらってやっていただきたい。どうしても都会の大きな本屋さんに対する施策に終わってしまいそうな気がしています。」 物価や人件費などの高騰を、利益ではカバーできないという現状のほか、仕入れの難しさもあるといいます。 ■大石さん 「なかなか地方の小さな書店には潤沢にものが来ないという現実があります。売りたい本、売れる本がもう少し素早く仕入れできるようなシステムを改善してもらいたい。」