右：中村勘九郎さん、左：中村七之助さん　撮影：武田敏将

「十八世中村勘三郎十三回忌追善」を銘打った息子の中村勘九郎さん中村七之助さんの全国巡業が香川県琴平町の金丸座で１０月に行われることになり、合同取材会が行われました。 この公演は１０月２日から２０日まで、「中村勘九郎　中村七之助　錦秋歌舞伎特別公演」として金丸座など全国１１カ所で行われるものです。 演目は江戸吉原の年中行事、吉原俄にあつまる江戸っ子の様子を描いた「若鶴彩競廊景色（わかづるいろどりきそうさとげしき）」と、京都・五條橋の牛若丸と弁慶の出会いに常盤御前と牛若丸の親子の物語を取り入れた作品、「舞鶴五條橋（ぶかくごじょうばし）」です。 勘九郎さんは「父が勘三郎襲名の際、『歴史のある芝居小屋も見学して終わりじゃなくて、実際に役者が立って汗と息吹を吹き込まなければ“芝居小屋”にはならない』という想いで各地の芝居小屋を回っていた」と勘三郎さんが生前、巡業公演を大切にしていたことを紹介しました。 そのうえで「“巡業公演”プラス“芝居小屋を巡る”という二重の意味をもって父を偲ばせていただけること、また、私たちの肉体を通して父の面影を見ていただけること。さらに十八世勘三郎はこういうものを目指していたのだなとそういったものを観ていただけることも含めてうれしい巡業公演になると思います」と話しました。 今回、香川など各地を巡ることについて七之助さんは公演の冒頭で行われる「観客とのトークコーナーで、会話で出た店にごはんを食べに行っています」と公演後の過ごし方を明かしたほか、勘九郎さんは「金丸座は公演が２日間あるので、１日目に教えていただければ翌日に行けるなと思っています」などと話していました。 金丸座での公演は１０月１４日と１５日に行われます。