関西電力、高浜原発2号の60年までの運転申請 新制度向け規制委に
関西電力は12月25日、2025年11月に運転開始50年を迎える福井県の高浜原発2号機(加圧水型軽水炉、出力82・6万キロワット)について、60年までの運転に必要な「長期施設管理計画」を原子力規制委員会に認可申請した。来年6月に始まる新規制制度に基づく50年超運転の申請は高浜1号機に続き県内2基目。関電の高畠勇人原子力事業本部長代理が県庁で坂本裕一郎防災安全部長と面談し「60年を想定した評価で健全性に影響がないことを確認した」と説明した。 新規制制度は、原発の60年超運転が可能になる国の新制度導入に伴う手続き。運転開始30年以降は事業者が最長10年ごとに施設や設備の劣化状況の確認、対応方法などをまとめた長期施設管理計画を作成し、規制委の認可を得る必要がある。 高浜2号機は1975年11月14日に運転を開始し、国内の廃炉を除く原発の中で高浜1号機に次いで古い。現行制度で60年までの運転延長が認められているが、新制度で50年を超えて運転する場合は改めて同計画の認可が必要。新制度移行後の来年6月から50年を迎える11月まで約5カ月間の運転は今月16日に認可された。 運転60年を想定した同計画では、原子炉容器など安全上重要な約4千の機器・構造物の健全性評価を実施。原子炉容器の鋼材の粘り強さが中性子線を長年浴びて低下する「中性子照射脆化(ぜいか)」は、試験片を取り出して安全性に問題がないことを確認した。60年まで10年間の運転に向けた追加保全策として、炉内構造物の取り換えなどを明記した。 面談で坂本部長は「関電のプラントは全て高経年化している。安全対策の投資や海外での知見収集など安全性向上への取り組みを積極的に進め、県民や(電力)消費地に分かりやすい理解活動を」と求めた。
福井新聞社