今季未勝利で防御率6.10も…覚醒した井上温大と重なる「巨人の左腕」は
前年4試合登板からジャンプアップ
殻を破れば、大きく飛躍できる。身近にその手本がいる。井上だ。昨年は4試合登板で0勝1敗、防御率10.95。9月3日のDeNA戦(横浜)では1回6安打7失点とメッタ打ちを食らった。イースタン・リーグでは10試合登板し、7勝0敗、防御率0.74と格の違いを見せて最多奪三振(84)のタイトルを獲得したが、プロは一軍で結果を出してナンボの世界だ。今季も交流戦前までは主に救援登板で0勝3敗2ホールド、防御率5.19と安定感を欠いていたが、5月30日のソフトバンク戦(東京ドーム)で4回無安打無失点と走者を一人も出さない完ぺきな投球で今季初白星を挙げてから、投球内容がガラッと変わった。先発に配置転嫁された6月以降は7勝2敗の好成績をマーク。相手の懐に直球を投げ込む投球スタイルで101回を投げ、99三振を奪った。 井上の活躍は、又木がプロの世界で輝く上で道標になっただろう。来年に向けての戦いはすでに始まっている。現在はプエルトリコで開催されているウィンター・リーグに派遣され、12月下旬まで参加する。技術面だけでなく精神的にもたくましくなり、先発ローテーションの座を狙う。 写真=BBM
週刊ベースボール