中村倫也「結局チーム力が大事なんだなって」仕事と日々の暮らしの両立で感じる充実感と親への感謝
── 家事力がすごいです! 逆に苦手な家事はないんですか? 中村さん:洗濯物を畳んでしまうことです。どうせすぐ着るんだし、出しっぱなしでいいじゃん、って。ひとり暮らしのときは洗濯乾燥機から出してそのまま着てました(苦笑)。でももちろん、結婚してからは収納のエリア分けがされましたし、出しっぱなしってわけにはいかないので、ハンガーにかけてそのままクローゼットへ、って感じです。
■家事が思うようにいかなくても全部ひとりで抱えないで ──『THE やんごとなき雑炊』の撮影では、食材の切り方や出汁の取り方などの手順の大切さを実感したとか。そんなふうに、家族や自分のために料理や家事に時間をかけられるといいですが、仕事や日々の雑務に追われて時間が取れないと悩む人も多そうです。そんな人にアドバイスをするとしたら? 中村さん:「ちゃんとしたい」目的がどこにあるのか、ということだと思います。疲れていたとしても体力を使ってでもやりたいことか、やるべきことかどうか。家庭生活でも仕事でも同じだと思いますが、その目的がはっきりすると、「ない時間をどうにかして作ろう」という方向に気持ちがいく気がします。
家のことを全部ひとりでやるのはしんどいし、限界がある。家族って一緒に生きるメンバーじゃないですか。そのメンバーと目的を共有して、いかに一緒に生きるかを考えながら、お互いができることをやるのが大事なんじゃないかと思います。 ──「一緒に生きるメンバー」って、いいですね。 中村さん:家族とか仲間とかもそうですけど、一緒に生きるメンバーって考えると、よりいっそう自分の心にゆとりを持つ大事さにも気づくというか。人を思いやるって、自分の心にゆとりがないとできないですから。今回の本を作る際も、チーム力が大事だったので特にそう思いますね。
料理監修のタカハシユキ先生の力をお借りしてレシピとしても美味しいものに仕上がったのは、チーム力があればこそ。それに作っている工程や先生と交わした会話も担当のライターさんに記録してもらっているので、作り方のレシピではわからない、料理の段取りにもさまざまな発見があるはず。読んでも面白い料理本になったと思います。 ── チームでひとつのものを作り上げる醍醐味を実感されたのですね。そういう意味でも、自分がゆとりを持つための努力は必要そうです。