日本の120校が修学旅行で新北に 市がJTB台湾と連携協定締結 農業創生図る
(新北中央社)旅行大手JTBグループの台湾現地法人JTB台湾(台北市)と北部・新北市の地方創生団体「金山漫遊」、致理科技大学(新北市)は8日、日本からの教育旅行に関する連携協定を締結した。9月以降の今年度下半期に日本から120校の修学旅行団が新北を訪れ、同市内で製茶や藍染め、サツマイモ栽培などの農業体験プログラムに参加する予定。市は日本の修学旅行生を呼び込むことで、農業創生に収益をもたらし、経済効果の創出を図る。 調印式は新北市政府庁舎で開かれ、侯友宜(こうゆうぎ)新北市長の立ち会いの下、JTB台湾と市金山区の地方創生団体「金山漫遊」、致理科技大学の3者の代表者が協定書に署名した。 市農業局によれば、プロジェクトには市内の農業創生団体15団体が参加。日本からの修学旅行生をこれらの団体が活動を行うエリアに呼び込み、農業体験を提供する。また、致理科技大学の応用日本語学科の学生600人が通訳やおもてなしを担当し、日本の修学旅行生をサポートする。 JTB台湾の根本克己董事長(会長)によれば、9月末に第1陣として福岡の専門学校の学生が新北で修学旅行を行う。金山区の朱銘美術館を訪れる他、金山漫遊の活動エリアで、同区の名産品であるサツマイモの栽培や、かまどを使った昔ながらの調理などを体験する予定。また、今年度の下半期には120校の修学旅行団、延べ約2万人を新北に送り込む計画を明らかにした。 侯市長は、日本の旅行者の多くは台北に宿泊し、新北に遊びに来ていると紹介。今回の協力によって日本の生徒を新北に呼び込み、台湾の文化や農業、各産業について理解してもらうことで、2国間に最高の友情の架け橋が築けると信じていると述べた。また、修学旅行生の新北訪問によって、市の農業創生に毎年5000万台湾元(約2億4800万円)の収益をもたらし、経済効果は6億6000万元(約33億円)に上ると説明。日本と台湾が経済や文化、生活体験において連携することで、双方が持続的に互いにとって利益になる関係を構築できるよう期待を寄せた。 (高華謙/編集:名切千絵)