米女子ツアー挑戦2年目で急成長!? 西村優菜が圧倒的な数字でトップに君臨する「ある部門」とは?
日本女子ツアーの最高記録は上田桃子の60%
他のツアーと比較しても西村の数字は際立っている。日本の女子ツアーでサンドセーブ率が計測され始めたのは2017年からと歴史は浅いが、歴代1位は計測初年度の2017年に上田桃子が記録した60.00%でしかない。 実は上田は2011年に米女子ツアーでサンドセーブ率1位に輝いており、その時の数字は68.00%だった。これが米女子ツアーにおける日本人選手の歴代最高記録でもある。
日本男子ツアーの歴代最高は2023年、片山晋呉が出した69.091%。米男子ツアーは1998年キース・ファーガス(米国)の71.01%で、いずれも現時点では西村が上回っている。 古いゴルフファンなら青木功が米ツアーで1982、83年と2年連続でサンドセーブ王になったことを覚えているのではないだろうか。その時の数字は60.19%と62.31%だった。 西村がショートゲームに定評があるのはよく知られており、国内でも度々見事なバンカーショットでギャラリーを沸かせてきた。2022年の「ニッポンハムレディス」最終日最終ホールでグリーン右サイドのバンカーから60センチに寄せて1打差で優勝を決めたシーンは強く印象に残っている。 ただ、数字的には国内のサンドセーブ率は13位が最高で、米女子ツアー1年目の昨年は49.47%で33位とそれほど目立っていたわけではなかった。 それが今季は本来の技術の高さが見事に数字に直結している。2年目を迎えて米国の砂を含めさまざまな環境に慣れてきたのが一因かもしれない。実際、他の部門でも昨年の同時期と比較するとCMEポイントランキングが80位から48位、平均ストロークが66位から14位など大幅に良化している。 次週の「エビアン選手権」から始まる後半戦、シーズン終了時まで現在のサンドセーブ率を維持するのは簡単ではないが、可能性はある。記録を塗り替えることができれば、世界一のバンカーの名手といっても差し支えないだろう。
宮井善一