<広島カープ>バスを降ろさせ異例の罰則走?
え? プロ野球で罰則走? 広島の秋季キャンプで高校球児なみの罰則走事件があったことが明らかになった。 ■西武との練習試合のあとに起こった珍事 事件があったのは、20日の西武―広島の練習試合後。広島は、その日、西武がキャンプを張っている宮崎県・南郷町を訪れて練習試合を行なったが、西武投手陣にわずか4安打しか打てずに0-8の完封負け。しかも、今季11試合に先発してプロ初勝利を記録、来季の先発ローテー入りが期待されている左腕、中村恭平が打たれただけでなく、その試合内容が悪かった。 内野手がファンブルしたり、外野手が処理に手間取ってワンヒットを二塁打にしてしまったり、バッテリーが悪送球で失点するなど、ミス、ミス、ミスのオンパレード。秋季キャンプ最後の実戦で、このゲームには来春の1軍キャンプメンバーを振り分けるという最終テストの意味合いもあったのだが、燃えて当然のはずの若手選手が集中力に欠いていた。野村監督は、試合直後、「若い選手に気迫というか戦う姿勢が見えない」と、怒りのコメントを残したが、よほど腹に据えかねたのだろう。 ■”最終ランナー”の小窪「しょうがないっす」 監督、コーチ、選手を乗せたバスが走り出すと、途中で、突然、野村監督がバスを止めさせ、一部の投手を除き、全員をバスから降ろして、宿舎まで走って帰ることを指令したという。南郷から広島の宿舎がある日南まで、その距離は約4キロ。起伏のある山道ではなく平坦のコースだが、まるで高校野球のチームが、負けた試合の後に、よくやるような罰則走。プロの世界では、なかなか見られない異例のペナルティである。 一番、最後にホテルに帰ってきたのは28歳の小窪哲也で、どっぷりと南国・宮崎の陽も暮れてしまっていた。その表情はヘトヘト。内心は、まさかプロになって罰則走は?と思っていたのかもしれないが、「あれだけミスをしたらしょうがないっす」と、反省しきりの様子だった。