「これはナイスアイディア」SNSで4.2万“いいね”の話題に 指名手配犯の顔ずらりの手提げ袋、作った警察に狙いを聞いた
「その手提げ袋めっちゃほしいんだけど」、「これはナイスアイディア」…。指名手配容疑者の顔写真がずらりと貼り付いた手提げ袋の画像が2月1日にXへ投稿されると、2月下旬までに約4万2千の“いいね”が付く話題になった。画像が投稿された日は、指定手配ポスターをきっかけとした情報提供により、殺人未遂容疑の暴力団幹部が宮城県で逮捕された日。指名手配への関心が高まる中、手提げ袋を作った長野県警松本署にその狙いを聞いた。(中島瑞穂) 【画像】話題になった紙袋
投稿された画像は、2023年11月に松本署が行った啓発活動のニュース動画の切り抜き。指名手配容疑者の情報提供を呼び掛けるポケットティッシュの配布が活動の主体だったが、SNSではティッシュを入れた袋に注目が集まった。指名手配容疑者の顔写真や名前が印刷されたポスターを紙袋に貼っており、SNSでは「この手提げを持ってみんなが街を歩いてたら効果バツグンだろうな」といったコメントが投稿された。
紙袋が“バズった”ことに松本署刑事2課の田中亮課長は「興味を持ってもらえた」と歓迎。啓発活動は、毎年11月の指名手配被疑者捜査強化月間に合わせて実施した。指名手配容疑者の等身大パネルや、指名手配ポスターを貼った看板を例年通りに活用。ポスターを貼った紙袋は、刑事2課庶務係の署員のアイデアで初めて作った。より多くの人に目を向けてもらうために「貼ってみてはどうか」と提案されたという。
「少なくとも10個ぐらいは用意したと思う」(田中課長)という紙袋には、計1千個のポケットティッシュが詰められた。啓発活動では、約20人の署員が情報提供を呼び掛けながらティッシュを配布。「当日は松本駅で一番目立っていたと思う」と田中課長。ただ、この活動後に紙袋からポスターを剥がしてしまったそうで、結果的に一番目立った紙袋は残念ながら現存していなかった。
指名手配のポスターは、警察庁のホームページで自由に印刷できる。そのため、松本署が作った紙袋と同じような物は誰でも作れる。しかし、一般市民がそんな紙袋を作ってもよいのだろうか。長野県警刑事企画課の担当者は「確かに目は引きそうですが、お勧めはしません」と指摘する。なぜならば、人権に関わる問題になるという。