東京女子プロレス・身長152cmの小柄レスラー鈴芽、荒井優希のベルトに挑戦「ライバルだと思ってほしい」
今年でキャリア6年目に突入
「運動神経もけっしていい方じゃないんですけど、たぶんプロレスと相性がよかったんですよね。マット運動は得意だったり。バレーボールをやっていて、床に飛び込むことや転ぶことが怖くなかったのも受け身の練習をするには近道だったと思います! あと、殴る、殴られるということももちろん初めてなので難しかったりするんですけど、東京女子を観てプロレスを好きになった私は『闘いは愛がないとできない』と感じていたから攻撃が怖いという思いはあまりなかったんです。恐怖心で躓かなかったのは大きいと思います」 身長は152㎝と小柄だが、身軽に動き回って、華麗に宙を舞うファイトスタイルで着々と実績を積み重ねてきた。ちなみに「すずめ」とは鳥のスズメではなく、スズメバチに由来する。まさに華やかに跳び、鋭く刺すスタイルだ。 いまやいろんなタイプ、いろんなスタイルの選手が増えた女子プレス界だが、鈴芽はまさに「女の子」がプロレスをやっている、という感じ。女子なんだから当たり前のことかもしれないが、女子プロレスラーの多様化が進む現在では、一周まわって新鮮だし、ついつい目で追ってしまう存在。 それこそ、普段、あまり女子プロレスを見ない女性が彼女の試合を見たら、感情移入したり、憧れてしまうのではないか? 「私もプロレス、やってみたい!」と女の子に思わせて、次世代のスター候補を呼びこむことが3年後、5年後の女子プロレス界のさらなる繁栄には、とても大事なこと。そういう意味でも鈴芽は無限の可能性を秘めた選手なのである。 デビューは2019年8月25日。今年でキャリア6年目に突入したが、荒井優希のプロレスデビューは2021年5月だから、鈴芽のほうが約2年弱、先輩ということになる。 「そうなんですけど、優希ちゃんを“後輩”と考えたことはあんまりないんですよね。やっぱり強いし、初めて闘った日から私はずっと追いかける立場だったので。 本音をいうと、優希ちゃんみたいにキラキラした背中が前にいてくれることに安心してしまっていた部分もあった思うんです。でも、そうやって甘えているだけじゃなくて並んで立ちたい。ライバルだって思っているし、思ってほしいんです。それに私にはどうしてもインターナショナル・プリンセス王座のベルトがほしい理由もある。だから、このタイミングで挑戦を決めました!」
小島 和宏