どんな作品でやってた? 短いけど濃密だった「おニャン子クラブとアニソン」の関係
工藤静香さんも登場
また、『ハイスクール奇面組』のエンディングについては、「女学生の決意」「バナナの涙」「猫舌ごころも恋のうち」「のっとおんりぃ★ばっとおるそう」「ピタゴラスをぶっとばせ」の5曲を担当しました。さらに挿入曲である「あぶないサ・カ・ナ」も含めると、11曲を65話、1年半近くにかけて発表しており、当時の「おニャン子クラブ」の勢いがうかがえます。 しかし高井麻巳子さんが卒業し、66話から工藤静香さん、生稲晃子さん、斉藤満喜子さんのユニット「うしろ髪ひかれ隊」が後を引き継ぎ、オープニングとして「時の河を越えて」「あなたを知りたい」、エンディングは「うしろ髪ひかれたい」「立つ鳥跡を濁さず」が使用されています。工藤静香さんがアニメソングを歌っていた時期があるのは、少々驚きです。 『奇面組』の後番組『ついでにとんちんかん』でも、引き続き「うしろ髪ひかれ隊」が起用され、オープニングの「ごめんねカウボーイ」「ほらね、春が来た」、エンディングの「メビウスの恋人」「誰も知らないブルーエンジェル」の合計4曲を担当します。なお、番組後半は生稲晃子さんのソロ曲である「麦わらでダンス」「夢に逢いたい」がそれぞれオープニングとエンディングとして使用されました。 おニャン子クラブは1987年9月20日のコンサートで解散しましたが、『とんちんかん』は1988年の10月まで放送されていたため、解散から1年ほどは「おニャン子クラブ」の曲が流れていたことになります。 なお「おニャン子クラブ」本隊も、1986年から87年にかけて放送されたTVアニメ『あんみつ姫』でオープニングの「恋はくえすちょん」と、エンディングの「あんみつ大作戦」をタイアップとしてアニメソングを披露しています。 1980年代半ばのアニメソングはかつて「童謡」として扱われていたジャンルが、本格的なJ-POPへと変化していく只中にありました。そのなかでも大量のアニメソングを送り出し、当時の子供たちを楽しませてくれた「おニャン子クラブ」の功績は、ひと際大きいものがあるといえるでしょう。
早川清一朗