「ブルックス」メーカーに経営陣退陣求め株主提案-ストラテジックC
(ブルームバーグ): 旧村上ファンド出身の丸木強氏が率いるアクティビスト(物言う株主)のストラテジックキャピタルは17日、アパレルメーカー、ダイドーリミテッドの定時株主総会で、鍋割宰社長ら現経営陣の退陣と独自取締役候補6人の選任を求め、株主提案を行うと発表した。
ダイドーは「ブルックスブラザーズ」や「ニューヨーカー」のブランドで知られるアパレルメーカー。総会は6月27日に開催される予定。
発表資料によると、ストラテジックC提案の取締役候補は元ブルックスブラザーズジャパン最高財務責任者(CFO)の中山俊彦氏、元オンワード樫山社長で現在、業界団体の役員を務める大澤道雄氏ら。中山氏は社長就任を念頭とした社内取締役候補、ほか5人は社外取締役候補とした。
ストラテジックCは、ダイドー株の筆頭株主で、同社に株主提案をするのは今回が初めて。鍋割社長らが主導している間、業績や株価が低迷し続けているとして経営陣の刷新を求めた。ダイドーは2023年3月期まで10年連続で営業損失を計上している。
丸木氏は17日の会見で、鍋割社長ら社内取締役2人と丸木氏が経営の監督責任を果たしていないとする社外取締役2人について、定時総会で選任議案に反対票を投じると明言。取締役歴の浅い白子田圭一氏、萩原秀敏氏の2人の社内取締役については賛否をまだ決めていないとした。
ダイドーは鍋割氏を含む現在の取締役6人全員の再任求める会社側議案を発表済みで、候補は合わせて12人となる。ダイドーの取締役の定員は8人のため、もし総会で出席株主の過半以上の賛成を得る候補が多数いた場合、賛成率の高い順に最大8人が選任されることになる。
ストラテジックCは数年前からダイドー株を徐々に買い増し、関東財務局への2日の報告では24.85%を保有する。投資一任契約の受託分を加えると議決権の32.2%になるという。ただ、経営権取得や株式公開買い付け(TOB)が義務付けられる議決権の3分の1以上への買い増し予定は現状ないとしている。