就任後初の記者会見を行う石破茂首相＝1日夜、首相官邸（春名中撮影）

石破茂首相は1日夜、官邸で首相に就任して初めての記者会見に臨んだ。会見の要旨は以下の通り。 【写真】石破茂新総裁の誕生を受けて緊急発売される「祝誕生新総裁　瓦版せんべい」 ■冒頭発言 本日、自民党と公明党による連立内閣を発足させた。私が長い間、政治家として大切にしてきたのは国民の「納得と共感」だ。国民に勇気と真心を持って真実を語る、それが政治の役割だと私は40年近く信じてきた。謙虚で、誠実で、温かい政治を行っていく。この内閣での基本方針は「守る」ということだ。「5つの守る」を実行していく。 第1に「ルールを守る政治」でなければならない。ルールを守る政治を実現していかなければならない。国民を信じ、国民から信頼される内閣でありたい。われわれは国民を信じ、勇気と真心を持って真実を語りたい。国民から信頼されるために直ちに取り組まねばならないのは政治改革だ。先般、成立した改正政治資金規正法に基づき第三者機関を早期に立ち上げるための具体的議論を進めていく。「令和の政治改革」を断行する。 第2は「日本を守る」ことだ。わが国を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しいものだと認識している。日米同盟を基軸に友好国、同志国の輪を広げ、外交力、防衛力の両輪で、わが国の平和、地域の安定を実現していく。防衛力の抜本的な強化は着実に進めていくが、それは装備だけを意味するものではない。現在、定員割れとなっている自衛官の処遇改善や勤務環境の改善、新たな生涯設計の確立は喫緊の課題だ。首相を長とする関係閣僚会議を設置し、早急に成案を得るものとする。 第3は「国民を守る」ことだ。国民一人一人の生活を守るため、今般の経済対策で低所得者世帯向け給付金、物価高への緊急対策を行う。最大限の生産性向上や価格転嫁の支援を進めつつ、最低賃金について2020年代に全国平均1500円への引き上げを目指す。わが国は近年、多くの自然災害に見舞われている。国民の不安に正面から向き合うため、防災庁の設置、国民保護体制の実効性確保に取り組んでいく。 第4は「地方を守る」ことだ。地方こそが成長の主役だ。日本は農業、漁業、林業の多くの好条件を備えている。地域のさまざまなステークホルダー（利害関係者）が知恵を出し合い、地方がそれぞれの特長に応じて発展していくことが本質であり、政府も後押しする。「新しい地方経済・生活環境創生本部」を創設し、担当相を設置し、今後10年間、集中的に取り組む基本構想を作成する。この取り組みを地方創生に転じて強力に推進する。