年金暮らしの母に「扶養に入れてほしい」と言われたのですが…扶養するメリットはありますか?
親を扶養に入れるメリットとデメリット
親を扶養に入れることで、扶養する人の税負担が減るというメリットがあります。例えば、所得税率20%の人が70歳以上で同居していない親を扶養に入れる場合には、控除額48万円に20%の所得税率を乗じて、9万6000円の節税効果が見込めるでしょう。 さらに、扶養に入る側である親にとっても、健康保険料の負担を減らせるというメリットがあるため、条件をクリアしているのであれば扶養に入った方がお得なイメージがあるかもしれません。 ただし、扶養に入ることで65歳以上の親が支払う介護保険料が高くなると考えられるため、注意が必要です。65歳以上の介護保険料は本人の所得や世帯の住民税課税状況に応じて計算されます。 今回の事例では「年金暮らしの母に扶養に入れてほしいと言われた」ということですが、仮に母親が住民税非課税で住民税課税者(子ども)と同一世帯になることで介護保険料が上がってしまう可能性があります。 さらに、高額療養費の自己負担限度額についても被保険者の年齢や所得に応じて決まるため、親が子の扶養に入ることで自己負担が増えてしまうおそれがあるでしょう。 こうしたデメリットがあることも踏まえたうえで、親を扶養に入れるかどうか慎重に検討した方がよいでしょう。
税金や親の健康保険料の負担は減らせるが、親の介護保険料や高額療養費の自己負担額が高くなる可能性がある
親が高齢になり「扶養に入れてほしい」と相談された場合、扶養に入れることでどのようなメリットとデメリットがあるのか事前に確認しておくことが大切です。 まず、扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があるため、それぞれの意味合いや対象条件もチェックしておきましょう。 親を扶養に入れた場合、税金や親の健康保険料の負担を減らせる可能性はありますが、親の介護保険料や高額療養費の自己負担が大きくなることも考えられます。その点も確認したうえで、親に対してどのように返答すべきか考えてみることをおすすめします。 出典 国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1180 扶養控除 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部