李在鎔会長の「危機」発言直後…サムスン社長団大規模人事秒読み
サムスン電子が早ければ27日にも社長団人事を実施する。モバイル・家電部門の韓宗熙(ハン・ジョンヒ)氏、半導体(DS)部門の全永鉉(チョン・ヨンヒョン)氏、事業支援TF部門の鄭賢豪(チョン・ヒョンホ)氏の3人の副会長が全員留任する中で、DS部門はメモリーやファウンドリーなど主要事業部長(社長)が大幅に入れ替えられる可能性が大きい。 電子・半導体業界によると、サムスン電子は先週末から電子と系列会社の退任役員に対する通知と新任社長団公示など人事作業に着手した。27日あるいは28日に社長団・役員人事を発表するためだ。 人事準備が進行中の25日、李在鎔(イ・ジェヨン)会長はサムスン物産と第一毛織の不当合併控訴審裁判の結審公判で、経営者として刷新の意志を示した。この日の最終陳述で李会長は「現実がいつになく容易でない」「根本的危機と話す人もいる」「厳しい状況を必ず克服し今後さらに一歩踏み出す」と話した。法廷内の発言だが今年の相次ぐサムスン危機論を公開席上で直接言及したもので関心を集めた。李会長は1審で無罪を宣告され、2審の判決は来年2月に出される。 今回の人事の核心は李会長の発言のように「危機認定」と「刷新」だ。韓宗熙氏と全永鉉氏のツートップ体制は維持するが、DS部門はメモリー、ファウンドリー、システムLSI事業部長の3人が全員交替する可能性が大きい。人工知能(AI)用メモリーである広帯域メモリー(HBM)開発で時宜を逸しただけでなく、サムスン本来のDRAMメモリー競争力まで失った状況を打開するためDS部門の全面刷新に力を入れる人事だ。5月にDS部門長にサプライズで抜擢された全副会長は就任後にDRAM開発全般を点検し「現実直視」と「透明な疎通」を強調した。 ハン・ジンマンDS部門米州総括副社長、南碩祐(ナム・ソクウ)製造&技術担当社長、ソン・ジェヒョク最高技術責任者(CTO)兼半導体研究所長らは重用の可能性が言及される。サムスン電機の張悳鉉(チャン・ドクヒョン)代表とサムスンディスプレーのチェ・ジュソン代表ら半導体出身系列会社代表の復帰の有無も関心事だ。ただチェ代表は留任の方向性が固まっているという。 一部ではグループのコントロールタワーに当たる未来戦略室復活の可能性に注目したが、事業支援TF中心の構造は維持される。これまでサムスン電子内外では現在のサムスンの危機はAIのような世界市場の地図を読み取れなかったことにあり、これは各社経営陣が自身の在任期間の短期的成果にだけこだわり技術的挑戦より財務・人事など「数字管理」に集中したためという批判が多かった。しかしサムスン内部では新たな組織復活には否定的だったという。「事業支援TFの存在が問題なのではなく、責任を負う人がいなかったことが問題」という指摘からだ。 莫大な先行投資と流動性管理が必須である半導体事業の特性上、財務状況を問い詰めて個別事業を点検・牽制する役割は必要だが、牽制を超えて事業を貫徹し、それに対する責任を負うことができるリーダーシップが不足したことがより根本的な問題という話だ。社内では全副会長を中心に新しいDS部門経営陣がこの役割をすることを期待している。 今回の人事後にサムスン電子の登記役員構成も変わる可能性が大きい。現在の韓宗熙氏、盧泰文(ノ・テムン)氏、朴学圭(パク・ハッキュ)氏、李禎培(イ・ジョンベ)氏の登記役員4人のうち、DX部門の韓氏と盧氏は留任する見通しだ。理事任期が来年3月までの朴最高財務責任者(CFO)の去就と全副会長の登記役員選任に関心が集まる。 一方、半導体役員の退任過程では会社の悩みが長かったという。メモリー事業が活況の時は「メモリー超格差を伝授する」という名分で退任した役員を系列会社に異動できたが、メモリー事業が振るわないとこうした異動が簡単でないためだ。