<雪まつり閉幕>もったいないけど……「雪像解体」ツアー人気
【北海道・札幌】2月11日に1週間の会期を終了した第66回さっぽろ雪まつり。今年は8日の4月上旬並みに上がった気温と雨のため、全207基の1割以上に上る氷雪像の作り直しを余儀なくされましたが、過去5番目に多い235万人(さっぽろ雪まつり実行委員会発表)の観光客が訪れました。 しかしながら、まだまつりは終わっていません。実は今、雪まつりそのもの以上に注目されているのが「雪像解体ツアー」。その名の通り、役目を終えた雪像を壊すシーンを見て回るツアーが人気を集めています。
壊さないと「雪解けが進んで危険」
雪像の解体には重機も使用されるので、安全面を考慮して近くまでは行けませんが、高さ10メートルを超える雪像を破壊していくさまは、かわいそうですが迫力に満ちています。今年も多くの観光客・市民が訪れ、雪像との別れを惜しみつつも解体シーンを目に焼き付けていました。
もちろん最初は注目されることもなく淡々と行われていた作業ですが、偶然雪まつりを終えた後に会場を通りかかった観光客の口コミで広がった解体ツアー。さっぽろ雪まつり観覧ツアーの他に、解体ツアーも企画している札幌通運株式会社(本社・札幌市中央区)によりますと「昨年に比べて多くの希望者があり、50名の予定人数にすぐに達しました。大変好評をいただいているので、来年以降も続ける予定です」ということです。 また、大通会場8丁目の大雪像「春日大社・中門」を制作した陸上自衛隊第18普通科連隊の隊員たちは、雪像の解体を眺めつつ除雪作業に追われていました。
ある隊員は「毎回壊すことを前提に作っているのですが、目の前で壊れていくのを見ると寂しくなりますね。「壊さないで」とよく言われるのですが、早く壊さないと雪解けが進み、危険なんです。安全のために早く解体して、除雪しないといけないんですよね。今年は途中高温のため溶けてしまった部分もありますが、解体中は近づかないと見ることの出来ない部品を展示していますので、細かい仕事を見てもらえると嬉しいです」と話してくれました。 さっぽろ雪まつり開催日翌日、たった1日のお楽しみとなる雪像解体。来年の雪まつりは、1日延長して解体ツアーに参加してみるのはいかがでしょうか? (ライター・橋場了吾)