米合法風俗で働く女性が告白する…看護師を目指していた女性がストリッパーになった理由
生きづらいアメリカで母を助けたい
彼女は今後の目標として、母親を支えたい、それ以上に重要なことは無いとした。半年前には、4人の子供を養うために全力を尽くしていると話したが、「子供はいない」と言い切った。 「母と25歳の弟をサポートしたい。面倒を見るってレベルではなく、あくまでもサポート。今のアメリカって何でも高いでしょう。特に母が住むカリフォルニアは、家賃も物価もガソリン代も信じられないほど高価。ホームレスも多いし、健康を害する食品がそこら中で売られている。医療保険だって高いばかりよね。 本当に生きづらいわ。そんな世の中だから、多少なりとも母を援助したい。私を必死で育ててくれた母だから」 父親について問うと、サミーは視線を落としながら答えた。半年前、航空宇宙を学んだエンジニアだと説明した父親である。 「6年前に亡くなった‥‥。アリゾナで殺されたの」 前回のインタビューで、彼女はこの件には全く触れなかった。 「肉親が殺害される。その苦しみ、悲しみを表現するのは難しい。人生って短いわよね‥‥」 サミーがセラピーを口にするのは、自身の過去に由来するものなのか、あるいは、彼女自身が精神的な救いを求めているのか。 腕や足に入れられた派手なTATTOOを「忠誠心を表現している」と説いたサミーに取材の礼を告げながら、彼女にはまだまだ語れないことがあるのだな、と感じていた。
林 壮一(ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属)