【明日の金ロー】監督のDNAが新旧ファンを楽しませる「ゴーストバスターズ/アフターライフ」
29日の金曜ロードショー(後9時)は、同日に「ゴーストバスターズ/フローズン・サマー」が公開されるのに合わせ、前作にあたる「ゴーストバスターズ/アフターライフ」(2021年、日本公開は22年)を枠を15分拡大して地上波放送。プロ野球セ・リーグの開幕戦「巨人×阪神」の試合次第で最大30分繰り下がる可能性があるのでご注意を。 家賃の不払いでアパートを追い出され、母、兄と共に田舎町にある祖父の家に引っ越して来た少女・フィービーは、科学に興味津々の12歳。ある日、彼女は家の地下室で見たこともない機器を見付ける。学校で友人になったポッドキャストと共にその機器を作動させたフィービーは、祖父がかつてニューヨークでゴーストたちを退治した「ゴーストバスターズ」のメンバーだったことを知った。 やがてフィービーは、30年の間、自分たちが住む田舎町で地震が頻発しているのはゴーストが原因であると確信する。兄やポッドキャストたちとゴースト退治に出掛けた彼女たちの運命はいかに―。 40~50代にとってはタイトルを聞くだけで子供の頃の記憶がよみがえって来る人も多いだろう。シリーズ第1作は日本では85年の正月映画として公開され、同年の洋画ナンバーワンヒット作(配収41億円)に。89年には「―2」が公開された。ちなみに、残念ながら出来はイマイチだったが、16年にはゴーストバスターズの面々を女性キャストに変更したリブート作品も製作されている。 当時を知っている記者にとっては、オープニングシークエンスで本体の両側面からアームが出てくる「幽霊探知機」が登場した瞬間から気持ちが高揚。「ECTO―1」のナンバープレートが付けられた車が登場した時には最高潮に達した。この気分は、「007/スカイフォール」(12年)で、ガレージの扉が開いた瞬間に初代ボンドカーのアストンマーチン・DB5が画面に映し出された時以来だったかもしれない(やや大げさか)。 30年以上の時を経ての続編というのは、製作に非常な困難が伴ったことは間違いない。前2作の主要キャラクター・スペングラーを演じ、脚本も務めていたハロルド・ライミスは14年に死去。ただ、今作では主人公をその孫娘とし、CGや代役を使って出演させることで”代替わり”を違和感なく、スムーズにすることができている。 それを可能にしたのは、監督のDNAによるところも大きいだろう。今作のメガホンを執ったのは前2作品のアイヴァン・ライトマン監督(22年死去)の息子ジェイソン・ライトマン。ラストが「―2」とやや似通っているところは気になったが、過去のファンと今作で初めて「ゴーストバスターズ」を知る人の両方を楽しませられる作品を作り上げた。 個人的には、これだけ続編までの期間が空いたにもかかわらず楽しめたのは、他には「トップガン マーヴェリック」(22年、86年の「トップガン」続編)、そしてNetflixでシーズン5まで配信されている「コブラ会」(18年~、84年に第1作が公開された「ベスト・キッド」シリーズ続編)くらいか。そういえば「ベスト・キッド」は10年にウィル・スミスの息子ジェイデン・スミスとジャッキー・チェンの共演でリメイクされていましたね…。(高柳 哲人)
報知新聞社