たびたび登場 金正恩総書記の“ジュエ氏とみられる娘”は後継者? 否定的な見方も…
■後継者説には否定的な見方も
一方で、韓国の専門家の間では、後継者説に否定的な見方も根強い。北朝鮮大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「まだ具体的な職位がなく、正式な肩書きや名前も北朝鮮から発表されていない状況だ」として、北朝鮮メディアが娘の情報をほとんど出していないことなどを指摘。「後継者というよりは、未来世代を強調するための宣伝用の活動をしているのではないか」と分析している。 梁教授は、金総書記には息子がいるとみていて、「北朝鮮は儒教思想で、息子に健康問題がない限りは、結局は息子が後継者になる可能性が高い」と予測。娘が後継者である可能性は低いとの見方を示した。一方、韓国政府は、息子がいるのかについては「事実かどうか気にしている」という表現にとどめている。
■「朝鮮の新星女将軍」との一部報道はあるものの…
一部では、娘の呼称が格上げされ、新たに「朝鮮の新星女将軍」の呼称が使われたという報道(ラジオ・フリー・アジア)もある。ただ、これについては慎重な見方が必要だと思われる。これまで明らかになっていた娘の呼称である「愛するご子息」や「尊貴なご子息」は、北朝鮮の国営メディアなどが国内的にも対外的にも広く使った表現だ。一方、「朝鮮の新星女将軍」は、北朝鮮内での講演会で使われたという消息筋の話だとされ、決して北朝鮮メディアが、対外的に示したものではない。 まだ10歳前後とされるジュエ氏とみられる娘。その動向を巡る北朝鮮メディアの報じ方は、2024年も大きな関心の的となりそうだ。