『あの子の子ども』主演の桜田ひよりが語る、20代からの女優業「満足してしまったらこの仕事は終わり」
女優としての目標
──これまで女優業を続けてこられた中で、芝居に対する向き合い方に変化が起こったタイミングはありますか。 桜田 あまり大きな変化はないです。5歳からこのお仕事をしていて、小さい頃からこの仕事で生きていきたいなと思っていました。強いていうなら、高校を卒業した時、学生という枠から外れて社会人になるというタイミングで、改めて自分に活を入れたようなところはあります。「この仕事が自分の生活のメインになるんだ」と改めて気を引き締めました。ただ、だからと言っておばあちゃんになるまでこの仕事を続けるかと言うと、それはわかりません。今はこの仕事が好きで続けていますが、私はこの仕事だけにとらわれず、いろいろなものに触れていって、心を豊かにしていきたいと思っています。 ──小さな頃から芸能界に身を置いていらっしゃって、どこか「続けるのが当たり前」のような感覚にはならないものでしょうか。 桜田 私は常に向上心を持ってお芝居に臨みたいんです。現状に満足してしまったら、私はたぶん、役者というものに面白みを感じなくなってしまう。満足してしまったらこの仕事は終わりだと思うので、それまでは向上心を持って、様々な役を演じられるようになりたいです。 ──女優として成し遂げたい目標はありますか。挑戦してみたい役や作品、賞レースなど。 桜田 賞を獲るということを目標に思ってはいないんです。もちろん獲れたらありがたいですし、日本アカデミー賞で新人賞をいただいた時は本当にすごく嬉しかったですが、そこに立つことだけが全てじゃない。たとえばオーディションに受かるということも、何百人の中から1人がその役を勝ち取るわけで。それだけでも私は本当にすごいと思っているんです。だから賞を獲ることとか、この役を絶対にやりたいというものに縛られず、自分の気持ちが動く作品、やりたいと思える役に出会えることや、自分から進んでつかみ取っていくことが私の楽しみ。これからもそういうことに楽しさを感じ続けられたらいいなと思っています。20代になって、これから役の幅も広がっていくと思うので、今後もいろいろな役に挑戦していきたいです。 取材・文/山田健史
山田 健史