コロナ禍の株式投資を振り返る…「異常事態の相場」ではどのような売買がベストか?【株式投資のプロによる具体的な回答】
コロナの影響で株価が動いたと思われる「唯一の時期」
コロナ禍のあいだ、感染拡大防止と経済停滞防止のために様々な政策が実行されましたが、感染者は結局、増える時期と減る時期を繰り返してきました。 そして株価も、基本的には上下を繰り返していました。ちなみにそれは、コロナ感染者数の増減とは関係のなさそうな動きを見せていました。コロナ禍でないときと変わらなかった、といえそうです。 ただし、明らかにコロナの影響で株価が動いたと思われる時期があります。それは感染拡大初期の暴落の時期です。当時は、未知のウイルスへの恐怖、ライフスタイルの変化による経済悪化への不安、生産ラインの停滞による供給不足への不安などがあり、「この先どうなってしまうのか」という雰囲気が漂っていました。ですから、株も売られて当然だったのかもしれません。株式市場はパニックに陥っていたのです。 個別株を考えれば確かに、人々のライフスタイルが変わってしまい、その後何年も業績不振が続き株価ももとに戻らない会社があったでしょう。しかしそうでない会社の場合、この時期はまさに「パニック」によって株価が過剰に下落していたのではないでしょうか。そして、この時期こそが唯一、コロナによって株式市場全体が影響を受けた時期だといえそうです。 なお、そんなパニックが一段落して収まったのか、政府の財政出動や金融緩和が効いたのかはわかりませんが、そのあと株価は急回復します。
感染拡大が始まったときに売り、その後の急落時に買うのがベスト
そしてベストな売買は、「最初の感染が報告されてから暴落が起きるまでの2020年初に売り、その後の暴落時に買う」というものだったでしょう。 ただし、最初の感染が報告されたあと、感染が拡大しこの度のようなパンデミックとなるか、それとも感染拡大がすぐに終息に向かうかは、誰にもわからなかったはずです。したがって、そのタイミングで大きく売って成功した人は、単純に運もよかったといえそうです。 とはいっても、「感染が拡大するかもしれないから、(大きな割合でなくても)ある程度株を売って現金を多めに持っておこう」という判断はできたと思えますので、そんな売り方がベストだったのではないでしょうか。 そして、暴落した「コロナ・ショック」期間は、まさに「買い場」でした。多くの銘柄が必要以上に値を下げていましたので、このタイミングで買った人は、数ヵ月後に大きな利益を手にしたのです。 また、コロナによるライフスタイルの変化で明らかに今後の業績に悪影響が出る会社以外は、このあいだに売る必要もありませんでした。市場と同様に「パニック」になり、あまりにも安い値で売った人は、結局損をしたのです。 ウォーレン・バフェットの言葉が思い出されます。 他人が貪欲になっているときは恐る恐る、周りが怖がっているときは貪欲に。
「コロナ・ショック」はむしろ大チャンスだった
唯一、明らかにコロナの影響で株価が動いたと思われる時期があり、それは感染拡大初期の暴落の時期でした。 最初の感染が報告されてから暴落が起きるまでの2020年初に売り、その後の暴落時に買うのがベストだったのでしょう。 株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO 川合 一啓