勝利逃し悔しさにじませるノリス。ピットインのタイミング遅れ「チームとして良い仕事ができなかった」
マクラーレンのランド・ノリスはF1カナダGPを2位で終えたが、ポールスタートのジョージ・ラッセル(メルセデス)を交わしてレースを引っ張っていただけに、勝てるレースだったと悔しがった。 【リザルト】F1第9戦カナダGP:決勝結果 ノリスは17周目にコースオフしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に接近すると、20周目の最終シケインで彼をパスし2番手に浮上。翌周にはラッセルも攻略し、首位を奪った。 前が開けたノリスはふたりより1周あたり2秒以上速いペースでリードを広げ始めた。 しかしローガン・サージェント(ウイリアムズ)がターン5の出口でクラッシュしたことで、25周目にセーフティカー(SC)が出動。これがノリスにとっては逆風となった。 ここで多くのドライバーがピットインしタイヤを交換したが、ノリスは1周遅れでのピットインとなり、フェルスタッペンとラッセルに先行を許してしまったのだ。 SCが出たタイミングでちょうどピットロード入口付近を走行していたノリス。タイミング的には十分ピットインできたはずだが、チームとして間違った決断を下してしまったのだという。 チームとして十分な仕事ができなかったことに、ノリスは悔しさをにじませた。 「今日は勝てるはずだったのに、勝てなかった。だから悔しいよ」 「ペースはあったんだけど、最後の方のドライではそうじゃなかったんだろうね。今日僕たちは勝てたはずだった。でもそうはならなかったんだ」 「SCの後ろで詰まらないよう、ピットストップするべき時にチームとして十分な仕事ができなかった。だから、運が良かったとか悪かったとか、そういうことではないと思う」 「(SCが味方した)マイアミと同じだとは思わない。今回はただ、決断が間違っていたんだ。これは僕の責任でもあるし、チームの責任でもある」 「今の僕たちは、2位では満足できないレベルにいると思う。目標は勝つことなのに、それができなかった」 「最初のSCはタイミングが悪かったわけじゃない。ピットインする時間は十分にあったのに、しなかったんだ」 また、ノリスはレース後半に多くのドライバーがスリックタイヤに履き替える中で、インターミディエイトタイヤを引っ張り、2周余分に走行した。 これが助けになったと付け加えたノリス。ピットロード出口でトラクションに苦しみ、フェルスタッペンをオーバーカットすることはできず、タイヤを温めている間にラッセルにも抜かれたものの、51周目に2番手を奪い返して2位チェッカーとなった。 マイアミGPではSCのタイミングが味方し、初勝利を飾ったノリス。この時勝利を逃し、今回はSCが味方した形のフェルスタッペンは、マイアミの仕返しだとジョークを飛ばした。 「もちろん、それ(SC)が自分に有利に働くこともあれば、不利に働くこともある」とフェルスタッペンは言う。 「今回は僕らに有利に働いた。そういう意味では、今年は1勝1敗かな! でも、それもレースなんだ」 「できる限り冷静でいることを心がけ、ピットウォールとコンディションはどうなっているのか、というコミュニケーションを取る。今日はチームとして正しい判断ができたと思う」
Jake Boxall-Legge