還暦過ぎても、おじいちゃんにもなっても、トシちゃんは不言実行の「KING OF IDOL」
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 「KING OF IDOL(アイドルの帝王)」のトシちゃんこと田原俊彦(63)が、『おじいちゃん』になる。 長女でタレント田原可南子(30)と俳優高良健吾(36)が10月4日に、連名で結婚の文書を発表。その中で「二人にとって、何よりもうれしいことは、新しい命を授かることができたということです」と、田原が妊娠していることも明かした。来春、出産予定で、トシちゃんにとっては初孫となる。 この日は年に1度の「トシ(10・4)の日」。トシちゃんが大切にしてきた記念日の発表となった。 とはいえ、元来のプライベートを語らない主義から、結婚や妊娠への祝福コメントはなかった。トシちゃんらしいが、長年取材してきた記者には、こちらに背を向けながら、喜色満面の顔が目に浮かぶ。 トシちゃんが『パパ』になった時も取材した。1994年(平6)2月14日、3320グラムの女児が誕生した。田原可南子である。 交際や婚姻届提出などプライベートな取材を拒否していたトシちゃんが、スタッフに説得されたこともあり、3日後の同17日に会見したのだ。100人以上の取材陣が駆けつけた。 第一声は「マスコミ嫌いの田原のために集まってくださってありがとう。この場に『挑む』ことになり、意に反することもあるのですが、僕のエンジェルちゃんのために頑張ります」。挑戦状のような前段だったが、会見が始まると、喜びがにじみ出た。 妊娠8カ月目で女児と知り、毎晩のように、自分で画数などから運勢を調べて、「可南子」という名前に決めたと明かした。 「『な』とか今流行の名前じゃなくて『子』で止めたかった。あまり画数が多いと、テストのとき時間がかかっちゃう」と説明。自ら書いた大きな命名紙を「今日は大サービスだ!」と、仰々しく掲げる演出も見せた。 「男だったら自分で勝ち取るべく生きてほしいけど、女は人生の大半が器量だから健康でやさしく育ってほしい」と願った。そして「僕みたいな男がいっぱいいるので、絶対守ってあげたい」とジョークを交えながら、娘への思いを冗舌に語った。 会見では「人間田原としての生活は変わるが、エンターテイナー田原は変わらない」と断言した。大切なファンへのメッセージでもあった。 今年デビュー45周年を迎えた。パワフルに歌って踊るエンターテイナー田原は変わっていない。還暦を過ぎても、おじいちゃんになっても、不言実行の「KING OF IDOL」である。【笹森文彦】