山崎裕太「一人芝居」で魅せる!芸能界40年生き抜いた「人間力」 常に守った鉄の掟
俳優の山崎裕太(43)が12日に40周年記念公演「~山崎裕太ひとり芝居~『赤ずきんちゃんのオオカミ』」の初演を迎える。「人生の大きなターニングポイントにしたい」と意気込む本公演は本人の気合が違う。芸歴40年という、大ベテランの芸能人と肩を並べる山崎が、芸能界の生き抜き方とともに本公演への強い思いを語った。 公演は誰もが知る童話「赤ずきんちゃん」をオオカミ視点から描いた物語。劇団5454の春陽漁介が手掛けた脚本をもとに作・演出から芝居まですべてを一人で担った。 3歳から芸能界に身を置いていた山崎がその長い芸歴で唯一未経験だったのが「一人芝居」だ。「ミュージカルに舞台にドラマ、主演やいろんな番手もやらせてもらいました。この先も続いていく芸能人生を考えて何か新しいことに挑戦しないといけないと考えた先にたどり着いたのが一人芝居でした」と記念公演のテーマの理由を語った。 もともとは35周年記念の公演での挑戦を予定していたが、新型コロナウイルスが蔓延。本番直前に中止となった。 「稽古の初日だったんですけど、帰りの車で『コロナが収まったらすぐに再演させてくれるのかな。できなさそうだな』って考えてしまって。それで家に着いて、ドアを閉めた瞬間に泣いている自分がいたんですよ。オレ、こんなことで泣くんだとある意味驚いて。40周年で絶対実現させると誓いました」 それからの5年間は常に「一人芝居」を見据えて活動してきた。強い思いを持ってすべての準備を進めてきただけに周囲との温度差に苦しんだ。「一人芝居にかける思いも、世の中に山崎裕太を発信するという思いも自分だけが強くて周りがついてきてないということも感じました。その気付きを通して、自分一人が良ければ良いものが作れるわけではないと再確認したというか。芸能界は特殊な世界だけど、一人の社会人として大切なことを再確認した5年間でした」と振り返った。 3歳から芸能界にどっぷりとつかってきた山崎にとって、芸能界とは人生そのものだ。しばしば起きる業界の不祥事には心を痛めている。 「芸能人なんて何万人もいるけど、どうしても少数のやらかした人が目立って、『芸能界の闇』とか言われちゃう。薬物も傷害も、どの業界にもあることでしょう」と一部の人の過ちで、芸能界全体が一緒くたにされてしまうことを嘆いた。 自身も若い頃「やんちゃしていた時期はあった」と自省するが「人間力が大事」と早々に悟った。「人間的にクソな人がどんだけ芸事がうまくてももうダメなんですよ。瞬間的に評価されたって、やっぱりいなくなっていくんです。今までも散々見てきたし」 昨今も大きく取りざたされている女性関係には特に気を使ってきた。 「共演者・事務所の人・ファンには絶対に手を出さない」 これは山崎の鉄の掟だ。20歳頃から常に順守してきた。 「だから、業界の人から嫌われない。共演NGもない。たとえファンの人が少なくなっても、世間の人に飽きたって言われても、山崎を使いたいと言ってくれる人がいるから仕事はなくならないんです。実際になくなったことないし」 紆余曲折を経ながらも「一人の人間としてどう生きるか」を考え続けてきたからこその40年だ。「40年の集大成!とかそんなんじゃないけど」と照れ笑いを浮かべるが、気合は十分。「今は経験が全くない子も舞台に立って芝居して集客していて、演劇ってものの信ぴょう性が落ちてる部分がある。演劇って、エンタメってこんなに面白いんだよって、本物を見せてあげたい。だまされたと思って見に来てほしいです」と力を込めた。 公演は12~13日にカンテレ扇町スクエア なんでもアリーナ(大阪・大阪市)で3公演、18~19日に劇場MOMO(東京・中野区)で4公演。窪塚洋介、中尾明慶ら豪華ゲストも参加予定だ。 ☆やまざき・ゆうた 1981年3月8日生まれ。東京都出身。身長170センチ。84年に子役・モデルとしてデビュー。88年にフジテレビ系「あっぱれさんま大先生」に出演し、大ブレークを果たした。2001年に舞台「大江戸ロケット」でゴールデン・アロー賞演劇新人賞を受賞。代表作に映画「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」、NHK朝の連続ドラマ小説「私の青空」などがある。
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