ドリアン・ロロブリジーダ「我々は慣れていて傷つかないかもしれないが、そこでスマートな対応をしてくれたホテルの株はものすごく上がる」
宿泊予約サイトの「ブッキング・ドットコム」が4月19日、LGBTQ+に関するプログラムの発表会「Travel Proudプログラム 日本ローンチ発表会」を都内で開催した。 「Travel Proud」はLGBTQ+の旅行者がよりインクルーシブな旅を楽しめるよう支援するための同社の取り組み。同社が昨年行ったLGBTQ+の当事者を対象にした調査で、旅行者の80%が旅先を選ぶ際に「自分たちの安全と心身の健康や幸福感について考慮しなければならない」と回答。この結果を鑑み、日本でも旅先で誰もが安心感を持つことができるように、日本の施設向けにLGBTQ+について学ぶことを目的とした日本語版のプログラムを提供することになったという。 発表会では同社のアジア太平洋地域担当マネージング・ディレクター兼副社長のローラ・ホールズワース氏が「世界のグローバルジェンダーギャップにおいて140カ国中日本は125番目。教育においてはまだまだ努力を続けなければいけないと痛感している」としたうえで、調査結果から「LGBTQ+の旅行者中の5人中4人はなによりも安全を意識している。そして3分の2近くの旅行者は自分たちの身なりを変えなければいけないと答えている」などと説明。Travel Proudについては「このプログラムはもともと2021年から英語で展開された。しかし一部の日本における宿泊パートナーからはこのトレーニングを英語で受けているところもあった。タイでもプログラムを進めているがまだタイ語では対応していない。今回、アジアで初めて日本が日本語で展開する。これからもまだまだ努力をして、業界を一体化していかなければいけない。我々としては一体化されたエコシステムを実現できると信じている。そしてあらゆる人たちが同じように世界を旅することができると信じている」などとプログラムの重要性を説明した。
続いて東日本地区エリアマネージャーのオリビア・ジョン氏が「Travel Proudは2021年に弊社の英語圏の国プラス本社のあるオランダなどを中心に始まった。今回、アジアの言語で一番最初に日本語で全てのプログラムが翻訳され宿泊施設などに提供されることになった。このプログラムの主旨は大きく、LGBTQ+コミュニティーの方々がより安全な気持ちを持って旅ができ、宿泊をするにあたって、よりインクルーシブな雰囲気を感じていただくことを目的にしている。いろいろな場面があると思うが、LGBTQ+コミュニティーの方々の宿泊においてのありとあらゆる場面の中でどういうふうに適切な表現や気分を害しない表現をするかだったり、またそのコミュニティー自体への理解をどう高めるかというプログラムになっている」などと説明。トレーニングを受けた宿泊施設はバッジが贈られ、検索ナビのホテル名のところにTravel Proud認証を受けている施設であると表示されるという。 4月から日本語でのトレーニングが始まったばかりの日本では600弱の施設が登録し、実際にトレーニングを受けて、認証を取得している施設は現在約130とのこと。