左から渡邊信彦、上田慎一郎

東京・Shibuya Sakura Stageの4階にある404 Not Foundにて、9月21日から23日の期間限定で「上田慎一郎監督の3人のサイコメトラー‐誘拐事件を解決せよ‐」を楽しむことができる。開催に先駆け、9月18日に上田慎一郎とSTYLY（スタイリー）取締役COOの渡邊信彦がトークイベントを行った。 【画像】「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」ビジュアル 「上田慎一郎監督の3人のサイコメトラー‐誘拐事件を解決せよ‐」は、ストーリー、謎解き、XR（クロスリアリティ）のテクノロジーを組み合わせた新ジャンルのエンタテインメント作品。ヘッドマウントディスプレイを装着し、3人で同期されたコンテンツを体験することで事件の解決に挑む。“没入体験を買えるカフェ”「STYLY ULTRA EXPERIENCE CAFÉ」の第1弾として開催される。 渡邊は「今はテレビやスマホで映像を観ていますが、いずれはヘッドマウントディスプレイが小型化し、空間の至るところがディスプレイになってくる。そのときに必要なのがストーリー。飲み物を買って、食べ物を買って、ストーリーを買って（体験を）楽しめたら面白いと思うんです」と今回の企画趣旨を説明する。上田は今までにないVR体験を提供したいと考えていたそうで、「3人が別々の映像を観て、リアルのコミュニケーションも交えて1つの事件を解決するエンタテインメントです。現状のVRやXRの作品って、ジェットコースターとかお化け屋敷みたいなストーリーはそこまでないものがほとんどで、スカッと終わることも多い。今回は映画を観たときのように割り切れない思いを抱いたり、語り合いたくなるものを意識しました。観終わったあとはいい意味でモヤッとするかも（笑）」と期待を煽った。 まだVRやXRが今ほど注目されていなかった2016年、STYLYの設立に参加した渡邊。「当時はそういった作品を生み出すクリエイターがほとんどいなかったんです」と振り返り、「そこからNEWVIEWというコミュニティを作り、今はそこに数千人が集まって『新しい体験とは何か』を考え続けています。体験を作るクリエイターが増えていかないと業界は盛り上がっていかないので、その体験を楽しめるプラットフォームを今後もしっかり作っていきたいです」と展望を語る。上田も「動画配信サービスを使っていると、自分に合った作品がお薦めとして表示されるじゃないですか。テクノロジーがもっと発達すると、観ているお客さんの顔を読み取って、その人に合わせてストーリーを分岐させるようなこともできる。いきすぎると怖いですが面白いですよね。新しいものも、従来のものも、両方存在するのがいいなと思います」と未来に目を向けた。 イベント後には上田にインタビューを実施。VRに限らず新しいテクノロジーに興味があり、好奇心旺盛だという上田は「映画をいろんな領域に作っていきたいという思いがあるんです。少し前に縦型短編の『レンタル部下』を制作したんですが、ショートコンテンツはコントのようなネタ動画が主流だったので、『映画を観たな』と感じるような新しいものを作りたいという思いがありました。今回も気持ちは同じで、映画人として出張してるような感覚です。そこで手に入れた新しい武器を長編映画にも生かしていきたいですね」と思いを明かす。 「上田慎一郎監督の3人のサイコメトラー‐誘拐事件を解決せよ‐」は、推理をして導き出した結論によってエンディングの内容が変わるそう。上田は「最終的には倫理的な議論が必要になる展開もあります。犯人と動機はわかった、じゃあそれを知った私たちはどうするのかという。映画では登場人物の判断が正しかったのかを観たあとに考えるじゃないですか。このコンテンツでは『自分たちの判断は正しかったのか？』を考えることになるので、新しい体験として楽しんでもらえると思います」と自信をのぞかせた。 チケットはPeatixで販売中。すでに売り切れている時間帯もあるので、気になる人は早めに購入を。企画の詳細は「上田慎一郎監督の3人のサイコメトラー‐誘拐事件を解決せよ‐」の公式サイトで確認してほしい。 なお上田の監督最新作「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」は、11月22日より東京・新宿ピカデリーほか全国で公開。 ■ 上田慎一郎監督の3人のサイコメトラー‐誘拐事件を解決せよ‐ 2024年9月21日（土）～23日（月・振休）東京都 404 Not Found 営業時間 11:00～20:00 ※最終受付は19:00 料金：1人 税込1500円 / 3人セット 4200円