岸田総理が食べた「毒まんじゅう」、そして二階元幹事長は嗤う…岸田さん、あんた“も”終わりだよ
「自民党最後のドン」二階が自ら身を引くことを決断した。土の匂いのする政治家がまた一人去る。一方、厄介者を退場させたと官邸で小躍りする岸田。しかし、彼は重大な変化に気づいていない。 【一覧】「次の首相になってほしい政治家」岸田は15位…上位に入った「意外な議員」 前編記事『息子二人を国会議員に…二階元幹事長「引退会見」のウラにあった、岸田首相との「裏取引」の中身』につづき、「最強幹事長」退場劇の舞台裏に迫る。
岸田総理が茂木幹事長に大激怒
さらに「ポスト岸田」を窺う幹事長の茂木敏充が謀反を起こして、事態をややこしくしていた。 「3月19日、毎日新聞の朝刊一面に〈岸田首相自身も処分検討〉の見出しが躍りました。つまり、二階さんや安倍派幹部に処分を下すと同時に、総理自身も処分を受け、責任を取るつもりだという報道です。 岸田さんはこれに仰天。『俺はそんなことは言っていない! 』と大激怒した。書かせたのは茂木さんだと言われています」(自民党閣僚経験者) 激昂した岸田は21日に、茂木の古巣である読売新聞東京本社を訪れ、ナベツネこと渡邉恒雄代表取締役主筆にこの件を報告したという。その効果もあってか、茂木の態度は急変した。 「茂木さんもナベツネさんからお叱りがあるかもしれないと思ったのでしょう。出先の石川県金沢市で記者団の質問に答え、処分について『不記載がない議員を対象にすることはないと思っている』と説明。岸田首相は処分の対象にならないことを示しました」(同前) しかし時すでに遅し。「二階が責任を取るなら、岸田も取るべき」となぜか2人セットで処分という流れが既成事実化してしまった。 「茂木さんの狙いは岸田さんの解散を封じることです。岸田さんは裏金議員に厳しい処分を下すことで、世論を味方につけ、勢いそのまま解散するつもりだった。そこで茂木さんは、岸田さんも裏金議員の一員と見立てることでこれを阻止した」(同)
裏金処分はあくまでパフォーマンス
このままでは自分も処分対象となってしまう―万事休すの岸田がすがりついたのが、二階の盟友である森山だった。前述のように処分の見送りや後継者の公認を持ちかけ、二階が自ら身を引くように調整を頼んだのだ。 「二階さんと気脈を通じていた森山さんは、引導を渡すことに悔しい思いもあったでしょう。それでも党人派として首相のために全力を尽くしたのです」(森山派番記者) なんとか二階の引退にこぎつけた岸田は一人快哉を叫んだ、というわけだ。岸田の頭にあるのは自分がどれだけ長く「総理の椅子」についていられるかだけ。 「二階さんは次の選挙に出ないのだから、これ以上、処分を下す必要はない。ということはセットで考えられていた岸田も厳しい処分から逃れられる。あとは安倍派幹部の処分に集中すればいい」(全国紙政治部記者) 従来の計画通り、岸田は裏金議員に天誅を下そうとした。しかし、これも支持率上昇を狙ったパフォーマンスにすぎない。 「これまで安倍派に対しては、『5人衆』や『事務総長経験者』という線引きで責任を問うていたのに、ここへ来て突然、『キックバックの扱いを協議した4人』つまり世耕、元文部科学大臣の塩谷立、元政務調査会長の下村博文、元経済産業大臣の西村康稔に焦点を絞った。これは党内の反発を抑えるための極めて恣意的な線引きです。 岸田さんも安倍派全体を敵にまわすことはしたくない。そこで『安倍派のドン』森喜朗さんの一番のお気に入り、萩生田光一さんは処分から外した。一方、二階さんに恩を売るために世耕さんは狙い撃ちしました」(同前)