[山口県]JR山口駅にトイレットペーパー復活 山口市が再設置 市長、駅舎など再整備検討も
JR山口線の山口駅(山口市惣太夫町)の改札外にあるトイレに、JRが廃止したトイレットペーパーが市によって再び設置された。伊藤和貴市長が22日の定例会見で経緯を説明し、今後、洋式化と駅舎、駅前広場の再整備を検討する考えを明らかにした。 同駅のトイレは改札内と改札外の2カ所にあり、いずれもJR西日本が管理している。このうち、改札外のトイレについては、車いすでも利用できる多目的用を除いてトイレットペーパーを廃止し、販売機もなくなった。利用者にトイレットペーパーを事前に準備するよう求める案内板がトイレの出入り口に掲示されていたが、コンビニ機能を備えた駅売店が昨年9月末に閉店したため購入することすらできず、駅利用者から不満の声が相次いでいた。 伊藤市長は、米有力紙の世界で今年「行くべき52カ所」の3番目に山口市が選ばれたことを踏まえ、トイレットペーパーの設置と洋式化の2点をセットでJRと協議を重ねたことを明かした。JRは改札外のトイレについては経営判断から自社でトイレットペーパーを用意する意向がないため、市が緊急的な対策が必要と判断して19日から設置することにしたという。トイレットペーパーの補充などの管理は、山口駅構内の2階にある山口観光コンベンション協会に委託した。 改札外のトイレについて伊藤市長は、「場合によっては市が区分所有してコントロールできるような環境づくりが必要と考えている」と述べ、観光庁が用意するインバウンド対応の交付金を活用するなどして、JRとの協議が整い次第、洋式化を進める考えを示した。 また、老朽化が進む駅舎や駅前広場についても、「課題が多いと考えている。トータルでこれから考えていきたい」と再整備の必要性を示した。