【本人激白】プロレスラー三沢光晴の最後の対戦相手・齋藤彰俊が引退…大量の誹謗中傷に「引退か、命を絶つか」の二択の中で選んだ答え
誹謗中傷する人へ贈る言葉
すべてを「受け止める」、すべてを「受け切る」と決断した齋藤は、三沢さんに関するマスコミ取材もできる限り対応している。誹謗中傷の中には三沢さんについて語ることを「売名」などと非難する書き込みもある。 「自分には、三沢さんについて伝えなければいけないことがあると思っています。私は、プロレスリング・ノアのリングに(2000年10月から)上がらせていただいて、三沢さんの受け身のすごさ、器の大きい人柄など自分の人生に多大な影響を受けました。 最後の対戦相手となった自分だからこそ、三沢さんのすごさを語り継がなければいけないと思っています」 そして誹謗中傷の書き込みをする人へこんな言葉を贈った。 「誹謗中傷の書き込みをしているときは、正義感が自分の中にあるかもしれません。相手を苦しめてやれ、と思っているかもしれません。ただ、人間は自分が経験するとまた違う感情が生まれます。誹謗中傷をした人がネット上で目立って、逆に誹謗中傷される場合もあります。 そのときに非難された相手の気持ちがわかるんだろうと思います。そして、“誹謗中傷”と“意見”は違います。意見の中には正論もあります。受ける側もすべて自分の意に介さないことを誹謗中傷というのも違うと思います」 苛烈な誹謗中傷を受け、齋藤のように「受ける」のは難しいことだろう。 だからこそ、こう呼びかけた。 「今の自分に何ができるかを考えると、ネット上で誹謗中傷する人もいれば、そうした非難に晒され続けて現実に命を絶つ方もいらっしゃいます。そういう方たちにそれは間違っているということを伝えたい。 特に誹謗中傷で苦しんで命を絶とうと考えている方がいらっしゃるのなら、自分の経験をお伝えすることで100人に1人でも思い止まってくれればと思っています」 11月17日。齋藤は、愛する「プロレス」を引退する。しかし、「約束」は人生を全うするその日まで守り続ける覚悟を固めている。 取材・文/中井浩一
齋藤彰俊
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