各所で激しいバトル U-17関西地域トレーニングキャンプ関西で紅白戦
2023 U-17地域トレーニングキャンプ関西は17日、大阪府のJ-GREEN堺で2日目を実施。体調不良で不参加となった1名を除く関西の高体連に所属する高2年代30名が2チームに分かれ、30分3本の紅白戦を行なった。 ピンクビブスのチームはGK山崎晃輝(履正社)、二宮智輝(履正社)、DF阪上聖恩(神戸弘陵)、小金丸翔大(報徳学園)、國岡俊哉(興國)、福井奏太郎(三田学園)、井上秀(金光大阪)、MF浅尾晴大(大産大附属)、宮地陸翔(京都橘)、柏大輝(阪南大高)、河崎慶二(初芝橋本)、井田琉汐(神戸弘陵)、寺田洋祐(興國)、FW山下ハル(東山)、ディビッド・ローレンス(福知山成美)、姫田琢斗(三田学園)のラインナップ。 水色ビブスのチームはGK重田和真(大産大附属)、DF倉島正行(奈良ユース)、嵜山仁(近大和歌山)、黒瀬直弥(三田学園)、沖村大也(東山)、的場勇人(興國)、MF福本一太(阪南大高)、坂上宗太郎(桃山学院)、久松大耀(興國)、木村有磨(履正社)、高畑宗希(近大附属)、寺川康正(草津東)、FW太仁紫音(大谷)、増井那月(京都橘)、中田雄大(三田学園)の顔ぶれで試合を行なった。 初日に行なったびわこ成蹊スポーツ大戦から大きく変わったのは、プレーの強度だ。前夜には、視察に訪れたU-16日本代表の廣山望監督による講義を実施。昨年11月に行なわれたU-17ワールドカップでのアルゼンチンとナイジェリアの映像を見せながら、“本気でボールを奪いに行く”重要性を伝えた。意図についてこう話す。「強度が変わった中でどれだけ攻撃できるか、獲りきれるか。行ってかわされた所から、段々センスが磨かれてくる。守備の出力を変えるだけで、ゲームの強度が変わってくる。それを体感して日常にして欲しい」。 「昨日、大学生と対戦した時は距離が空いてしまっていたのですが、“後ろ向きになった時はチャンスだから、もっと強く行け”、“ボールに対して出ろ”と廣山さんに教わったのは大きく、みんなが意識できていた」。寺川の言葉通り、この日は各所で激しいバトルが繰り広げられる。 中でも目を惹いたのは廣山監督が「攻撃と守備の両方があるし、量もある。予測もできる」と称えた福本。水色ビブスは中盤で力強くボールを奪い切った彼のパスを起点に、木村と久松の両翼の鋭い仕掛けや、増井と太仁の力強い突破を繰り出して行く。「元々、ボランチやサイドハーフをやっていたので、攻撃に参加するのが自分の特徴。声や球際など色んな部分でアピールできていたかなと思う」と話す沖村もビルドアップやオーバーラップで攻撃にアクセントを加えていく。 1本目の15分には引いて受けた太仁が右サイドに展開すると、増井がドリブルからシュートを放ったがDFがブロック。続く17分には中盤での競り合いからゴール前を抜け出した久松が右足シュートを突き刺し、水色ビブスが均衡を崩す。18分には福本がインターセプトからゴール前にスルーパスを送ると、増井がGKとの1対1を冷静に決めて追加点。27分にも増井のポストプレーから福本がPA内を抜け出し、突き放した。 ピンクビブスも「昨日は初日だったので緊張した部分があった。でも、今日はどんどん仕掛けてクロスを上げたり、ゴールに繋がるチャンスができた」と振り返る河崎らが見せ場を作ったが、1点は遠くピンクビブスが3-0で1本目を終えた。2本目もペースは変わらず、水色ビブス。太仁の2ゴールを含め、7点差までリードを広げた。 最後の3本目はピンクビスが意地を見せる。「白い目で見られるぐらい(アグレッシブに)やるのは、なかなか大変だけどやって欲しい。ディビッドは言葉が通じない中でもやれていたので凄い。このキャンプに来てもらって良かった」。前線からの守備を廣山監督が称えたディビッドがゴール前のこぼれ球を押し込み、1点を返し、7-1で紅白戦を終えた。 2日間の日程ではあったが、廣山監督が「今年1年意識して変わっていけばチャンスがあるような選手もいた」と話したように存在感を示した選手がいたのは収穫。それ以上に同年代のライバルたちに刺激を受けながら、世界基準を知ることができた選手への影響は大きい。 沖村が「攻撃の選手でも攻撃だけでなく守備もできるし、守備の選手も攻撃ができる。フィニッシュの部分では全員がゴールに向かう姿勢が人一倍強かったので、刺激をもらいました」と口にすれば、寺川も「同じポジションなら、阪南大高の福本選手はチームを動かしている感じがあった。球際の強さや、シュートを決め切る力があり、ああいうふうにならなければいけない」と続ける。それぞれの選手がキャンプで学んだ基準を所属チームに戻ってからも継続し、飛躍に繋げてくれるはずだ。 (文・写真=森田将義)