ドウデュース 名前の由来は「どうどす?」 松島オーナーが明かす名付け親は世界的彫刻家
【ドウデュース引退 記者フリートーク】 武豊から「有馬記念は人々の心を揺さぶる決着が過去に多いじゃないですか。ドウデュースもそうありたい」とラストランの意気込みを電話口で聞いたのは金曜の午前中だった。種牡馬入りすれば「花嫁か、来年になればたくさん待っている」と心にとめておきたい言葉もあった。 しかし、その数時間後によもやの事態。自身の公式サイトを更新していないのだからショックは察して余りある。私からの電話など言うに及ばずだ。 オーナーの松島正昭氏は「引退式でファンに伝えたかった感謝をこういう形で伝えることになるとは…」と残念がりつつ胸中を文章にまとめた。以前の取材で「有馬記念が終わったら書いていい」と教えてくれたのが馬名の秘話。名付け親は18年にフランスのルーブル美術館で彫刻作品を展示した世界的彫刻家の名和晃平(なわ・こうへい)氏だという。 2人は旧知の間柄。京都・祇園といえば芸妓(げいこ)さんが似合う花街。2人が会食中に耳にした「どうどす?」の言葉を名和氏が「ドウデュース」に変化させたのだ。松島オーナーは「名和さんは競馬に興味がなかったけど、命名してから関心を持ってくれている。あの人に馬名を頼んで良かった。世界レベルの人が命名してドウデュースも世界レベルになった」と感謝した。 ジャパンカップでは世界No・1調教師のA・オブライエン師がドウデュースの強さに驚きと賛辞を並べたほど。日本の伝統文化が隠された馬名は世界に誇れるまで上り詰めた。(競馬担当・菱田 誠)