「ゴツゴツ鳴らない」高速道路の橋、その仕組みは? 全部を“非ゴツゴツ化”できる? 昔は「鳴るのが普通」
全部を「非ゴツゴツ化」できるわけではない
クルマで橋を走る際、「ゴツン、ゴツン」という音と振動を感じることがあります。しかし、近年ではこのゴツゴツ鳴る橋がかなり減りつつあります。ゴツゴツ鳴らない橋は、どのような仕組みなのでしょうか。 【画像】えっ…これが「ゴツゴツ鳴らない橋」の仕組みです そもそも「ゴツゴツ」の音は、橋の「ジョイント」部分で発生します。舗装のなかでジョイント部の金属などが露出しているために起こる現象です。ジョイントがあるのは一般的に、橋桁と橋桁のつなぎ目や、橋桁と岸(橋台)の間。橋桁は温度変化などで伸び縮みするため、つなぎ目となる部分は少し隙間を空けなければなりません。 多くの場合、ジョイント部はクシ形の部材同士が噛み合うようになっており、橋桁が伸びれば隙間が狭まり、縮まれば隙間が広がります。これにより橋桁同士が干渉することなく、構造を保つことができるというわけです。 とある高速道路事業者は「ジョイントを撤去し、隣の橋桁と床版同士を連結する工法や、舗装の上層を連続化する工法などがあり、場所に応じて適用しています」とゴツゴツ鳴らない橋の仕組みを説明しています。ただしジョイントをなくせるのは、橋桁の種類(鋼製かコンクリート製か、など)が同じであることや、高さが同程度で、かつ直線であることなど、一定の条件が必要とのこと。また、それぞれの橋桁が長すぎないことも条件のひとつで、連結した橋桁全体の伸縮量を両端部のジョイントで吸収できるよう設計する必要があるともしています。 なお、ジョイント部は損傷すると、漏水によって床版(舗装が載る道路の床板部分)など内部の腐食につながることもあります。ここを撤去することは走りやすさや静音性の向上だけではなく、構造物の長寿命化や耐震性の向上、維持管理の省力化なども見込めるのだそうです。
乗りものニュース編集部