「被害者と認めてもらえない…」小林製薬の対応に不満も 紅麹問題
小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」を含むサプリメントの健康被害問題で、大阪弁護士会は20日、無料電話相談会の結果を公表した。4月26、27日の2日間に全国の購入者らから延べ80件の相談があった。「被害者と認めてもらえない」などと、小林製薬の対応に不満を抱く購入者もいるという。 【図解】小林製薬の紅麹サプリ健康被害、何が起きたの? 大阪弁護士会によると、腎機能障害などの症状があるとする相談は56件に上った。入院は19件、通院は34件だった。 相談の主な内容は「慰謝料が支払われるのか」「信用して健康になりたくて飲んでいたのに……」など。今後の補償や健康被害への不安が寄せられ、被害者と認定されないことへの不満を訴える声もあった。 小林製薬は1月15日に健康被害を把握し、3月22日に公表したが、その前に症状を自覚した相談者も複数いた。公表約5カ月前となる23年10月にサプリを飲み始めた購入者は腎機能障害と診断され、同11月に小林製薬に連絡したが、「関係ない」と言われたという。 同社ホームページによると、サプリを摂取した人のうち死者は5人、入院患者は延べ276人に上っている。16日時点で約11万9000件の相談が寄せられているという。 この問題を巡っては国の調査で、原料のサンプルから青カビが作り出す天然化合物「プベルル酸」が検出された。国は健康被害との関連は不明だとし、原因究明を進めている。【木島諒子】