榊原氏が語る格闘技復帰戦「選手が参加したくなるような舞台にしたい」
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かつて隆盛を誇った総合格闘技イベント「PRIDE」の代表を務めた榊原信行氏が、高田延彦氏とともに「RIZIN(ライジン)」を立ち上げ、2015年の大晦日に復帰する。実行委員長として10月8日の記者会見で「命がけで日本の格闘技、世界の格闘技のために全力を尽くします」と語った榊原氏。総合格闘技の未来とスポーツビジネスをどう考えているのか。榊原実行委員長に話を聞いた。
日本から格闘技コンテンツが消えた
PRIDEの経営権をアメリカの総合格闘技団体「UFC」のオーナーに渡した時、「未来永劫PRIDEが続いていく、続けてもらえる」と信じていた。しかし、その後、一回も行われなかったことを悔やむ。「PRIDEが続いていればカムバックする必要はなかった」。 日本の格闘技コンテンツが消えた。国内で繁栄している格闘技のコンテンツがない。UFCがアメリカで隆盛をきわめていて世界中に広がっているが、日本に根付いていない。「過去から比べると残念な状況だった」と振り返る。大晦日に格闘技を見たいという声をきいた。輝く部隊を作ってあげたい。それが復活に向けた原動力だった。
格闘技界のチャンピオンズリーグを目指す
RIZINは、PRIDEとは違う。PRIDEが、団体(プロモーション)だったのに対して、RIZINは協会(フェデレーション)という位置付けだ。プロモーションだと参加選手は選手単独の契約になるので、他団体が競合になる。選手の引きぬき競争にほとほと疲れた。「抜いてもいい気持ちしないし、抜かれてもいい気持ちがしない」と。 総合格闘技のマーケットに戻り、団体の共存共栄を考えたときに、このフェデレーション主催の競技会形式を考えた。これにより、団体同士で選手の引き抜き競争をする必要がなくなり、選手らは既存の契約のまま、団体を代表してリングに上がることができる。「選手を引き抜くのではなく、世界中のプロモーションのトップと1年かけて順番に会っていって理解と賛同を得ることができた」。その先には、格闘技界のチャンピオンズリーグやウィンブルドンのような競技会にしたいという思惑がある。