プーチン大統領の長女「メディア登場」は「後継のサイン」なのか
東大先端科学技術研究センター准教授で軍事評論家の小泉悠が1月16日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ロシア・プーチン大統領とインド・モディ首相の電話会談について解説した。
ロシアのプーチン大統領とインドのモディ首相が電話会談
ロシアのプーチン大統領は1月15日、インドのモディ首相と電話会談を行い、ウクライナ情勢をめぐり協議した。さらに2024年のインド総選挙およびロシア大統領選挙での互いの健闘を祈った。 飯田)今年(2024年)は「選挙イヤー」と言われますが、こういうこともあるのですね。 小泉)今年はかなりの選挙イヤーです。そのなかで方向性が見えている国もあります。インドはいまの政権が続投されると思いますが、台湾はわかりません。実際、総統選も予想外の結果になりました。これからは欧州でも選挙がありますし、もちろんアメリカという最大の不確定要素もあります。
2024年は政治が前に出る年になる
小泉)2022年と2023年が軍事や戦争の年だったとしたら、2024年は政治が前面に出てきそうだなと思います。もちろん、その間もウクライナでは戦争が続いており、それ自体は軍事の論理で動くのですが、軍事の論理に影響する「政治の大きな変動」がどのくらいあるかというところです。 飯田)ロシアはプーチン大統領の続投以外、あり得ないですよね。
今年の大統領選で5期目に入るプーチン大統領
小泉)不思議な大統領選挙で、「出る」と言った瞬間にもう当選することが決まっている。2024年3月18日におそらく大統領選になると言われていますが、間違いなく続投が決まると思います。5月に正式に就任し、5期目に入るということです。 飯田)5期目に。 小泉)本来なら憲法上、5期目はできないはずでしたが、4年前に憲法を改正したので、プーチン大統領にしてみると「事実上の終身独裁」を国民に承認してもらう儀式だったのでしょう。実際に改正された憲法では、プーチン大統領はこれから2期続けられるので、2036年まで居座ることができます。つまり、彼が83歳になるまでです。途中、寿命で死んでしまってもおかしくない年齢です。ロシアの長い2000年代が続いていく感じがしますね。