3歳未満の保育料を無償化、所得制限など条件なし 広島県府中市・神石高原町、2024年度から
広島県府中市と同県神石高原町は2024年度から、3歳未満の全ての子どもの保育料を無償化する方針を固めた。所得制限や第2子以降などの条件は設けない。関連経費を盛り込んだ24年度一般会計当初予算案を、今月下旬以降に開会予定の議会定例会に提出する。同県世羅町も同年度からの同様の無償化を検討している。 中国5県の子育て支援策(乳幼児期)と実施自治体の例 府中市は、市立と私立の保育所など14施設と認可外の保育園2施設の計16施設が対象。市が直接保育料を徴収している場合は徴収をやめ、施設が徴収している場合は減額分を補塡(ほてん)する。認可外施設は上限額を設けて保育料を助成。上限額は今後詰める。 24年度の市内の0~2歳児は約420人と見込み、そのうち約300人を対象と想定する。関連経費として約8400万円を計上した。 市は19年4月から3~5歳児の保育料を無償化。同年10月からは市民税非課税世帯の0~2歳児も対象とした。このほか、同一世帯で2人以上の子どもが入所している場合の保育料は2人目が半額、3人目以降は無償だった。山田資子市こども政策担当部長は「経済的な理由で子育てを諦めることがないよう、支援を拡充したい」と話す。 神石高原町は町立保育所と認定こども園の計6施設が対象。24年度の町内の対象者は138人と想定する。これまでは第2子以降の保育料無償化などに取り組んできた。入江嘉則町長は「少子化は町の大きな課題で対策は待ったなし。子育てをする全ての家庭を支援する」としている。 11年度から全ての園児を対象に保育料を半額にしていた世羅町も、第2子以降などの条件なしでの無償化を前向きに検討している。
中国新聞社