プレーヤーからは高評価「FF7リバース」遊んで驚いた“粗隠し”の妙味 フォトリアルな描写に「コミカル」設定を活用
■世界的に高い評価を受ける「FF7リバース」 『ファイナルファンタジーVII』のリメイク作品である『ファイナルファンタジーVII リバース』(以下、FF7リバース)が、2024年2月29日にPlayStation 5で発売された。 【画像】重要人物の「エアリス」。彼女の運命がリメイクでどう描かれるのかが注目ポイントになっている リメイク版『ファイナルファンタジーVII』は3部作として制作されており、『FF7リバース』はその2作品目にあたる。前作の続きが描かれるだけでなく、広いオープンワールドや多数のミニゲームを収録しているのが大きな特徴だ。
世界中のレビューを集積するサイトMetacriticでは、メタスコア(平均点)93を獲得。世界的に高い評価を受けていることがわかる。 筆者も本作をプレーしてみたのだが、豪華なゲームであると同時にごまかし方がうまいと感心した。なにせ元のゲームは1997年の作品なわけで、そのまま作り直すと粗が目立つはずなのだが、それをとあるテクニックで納得させようとしているのだ。 原作となる『ファイナルファンタジーVII』はローポリゴンのゲームだったが、『FF7リバース』は人物の産毛すら見えそうなほど極めてフォトリアルに描写されている。ただ、デフォルメされていたものがリアルになるわけで、ストーリーやセリフなどがそのままだと浮きかねない。
主人公である「クラウド」たちは、巨大企業「神羅」に立ち向かい星を救う人々……といえば聞こえはいいが、テロリストである。これはデフォルメ表現だからこそ受け入れられたが、リアルにすると重すぎる話だ。 しかし、ゲーム内では遊園地のような場所「ゴールドソーサー」で遊んだり、デートしたりするちゃらんぽらんな内容なのである。ローポリゴンだからこそ、リアルではないグラフィックだからこそ、テロリストが気軽に遊び回るストーリーが許されたのだ。
■とにかくコミカルにして、粗を覆い隠す では、リメイクにおいてこれをどう解決しているのか? ストーリーもリアル寄りにすれば問題はなくなるが、話が大きく改変されてしまう。そこで『FF7リバース』は、コミカルな雰囲気でうまく隠しているのである。 例えば、本作では「ヴィンセント」というキャラクターと出会うシーンがある。彼はいかにもカッコつけているような人物なのだが、初対面のときはあえて機械音痴であることを示して笑わせようとする。