防犯にかかるコストは自分の行動次第、積水ハウス「駆けつけホームセキュリティ」のポイントは?
【積水ハウスの新防犯サービス】「つもりギャップ」からサービスを開発
博報堂の青木雅人常務は「デジタル化は次のフェーズに入っている。スマホやPCのようなデジタルツールに限定されたデジタル化から生活の隅々にデジタルが浸透したオールデジタル化に移行している」とコメント。「今後さらに生活者インターフェース市場が拡大していく」という見解を示しました。 家が生活者にとってのインターフェースになることで実現するのが、データの蓄積と活用の循環です。PFH touchはまさにそうした仕組みを体現しており、生活ログデータが新たなサービス創出に大きく貢献しています。 積水ハウスと合同で行ったデータ解析のポイントは、客観的な生活者のログデータだけでなく、主観的なアンケートや日記調査などのアナログデータも分析対象としていることです。実はそれぞれのデータを比べると「意識と実態にギャップが生まれている」ことが明らかになったそうです。 例えば、今回実施した調査で防犯意識が高いと自己認識しているユーザーでもこまめな施錠ができていない人が一定数いたそうです。さらに具体的な人物像として「社交的な方=来客・外出が多い」「長時間労働で疲労が蓄積している方」などの特徴まで見えてきたといいます。
【積水ハウスの新防犯サービス】「駆けつけホームセキュリティ」の仕組み
「駆けつけホームセキュリティ」はPFH touchに蓄積されたデータを分析し、可視化した防犯スコアをもとに、セキュリティサービスの価格を値付けするサービスです。「防犯スコアを価格に反映する」という仕組みは世界初となります。 セキュリティサービスの提供会社として、新たにパートナーに加わったのがALSOKです。同社の宮島裕常務は昨今の体感治安の悪化などを引き合いに出し、「安全が当たり前な暮らしを実現していく上で意義の大きい協業だ」と語りました。 PFH touchとホームセキュリティが集約されるメリットは複数あります。まずPFH touchが異常検知などを知らせる役割を果たすため、警備会社指定のセンサー機器が不要になります。 また、PFH touchが異常検知してALSOKに自動通報したあとのガードマンの行動などを可視化し、家族全員のスマホにガードマンの入室・退室などの情報が瞬時に届くので、リアルタイムで状況を把握できます。 最大の注目ポイントといえる「防犯スコアの価格反映」についても詳しくみていきましょう。防犯スコアは1日の解錠時間や夜間の窓開放時間などから算出され3段階で評価されます。アプリには改善ポイントを伝える機能も備わっており、防犯状態の改善にもつながります。 防犯スコアをもとに算出する料金はNormalが6160円、Goodが5610円、Excellentが5060円(いずれも税込)。「PLATFORM HOUSE touchとALSOKの防犯サービスを別々に契約した金額より安い」価格設定になっており、導入コストも検討しやすくなっているとのことです。 駆けつけホームセキュリティは12月13日から先行申し込みを開始します。まずは同社の新築戸建てユーザーから提供し、その後、グループの中で展開していきます。吉田常務は「ゆくゆくはグループ外にも提供していきたい」と今後の方針についても言及しました。
参考資料
・積水ハウス株式会社 ・「PLATFORM HOUSE」
大蔵 大輔