「増田明美2世」と呼ばれた女子マラソンエリートの葛藤「負けるのが嫌で、練習が怖くなって…」名城大で加世田梨花が“嫉妬した”2人の選手
常勝軍団のキャプテンとして
立ち直るきっかけになったのが、くしくもその休養期間だった。 「いつも二人は楽しそうに練習していて、こっちは一生懸命やっているのに勝てない。でも、外側から眺めたら、二人がちゃんと努力しているところがよく見えたんです。明るく、みんなに分け隔てなく接して、一緒に強くなろうとしているんだなって。私は自分のことだけを考えて卑屈になって、周りがよく見えていなかった。それはケガをしているときにすごく思って。なんで今、千葉から遠く離れて名古屋で寮生活をしているのか。一度初心に戻って考えるようにしたんです」 大学には結果だけを求めてきたのではない。仲間と切磋琢磨し合う環境で人間力を高め、実業団で飛躍するための土台作りをするつもりだった。 そう気づいて自分を変える努力をしたからこそ、4年時にはキャプテンを任され、コロナ禍で大変な時期にうまくチームをまとめあげることができたのだろう。《インタビュー第3回に続く》 (撮影=杉山拓也)
(「オリンピックPRESS」小堀隆司 = 文)
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