【独占インタビュー】ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
<同じドジャースの強打者、ムーキー・ベッツから大谷はどう見える? チームメイトに見せる素顔から野球の実力まで、ベッツが語るショウの凄さ>
2018年にはMVPと首位打者にも輝いたロサンゼルス・ドジャースのムーキー・ベッツ(31)。同じ強打者のチームメイトから、大谷翔平(30)はどう見えるのか。仲間たちに見せる、大谷の素顔とは? 【動画】見事な始球式のあと、デコピンに逃げられた(?)大谷翔平 20年MVPのフレディ・フリーマン(35)と大谷と共にドジャースの「MVPトリオ」といわれるベッツに、ロサンゼルス在住のMLBライター・青池奈津子が聞いた。 ◇ ◇ ◇ ──大谷選手と今年初めてチームメイトとして過ごして、第一印象から変わったことや新たな発見はあるか。 特にないかな。普通の男だよ。僕はもともと先入観を持たないタイプなのと、自分も日々やることがいろいろあって忙しいから、他の選手について細かいことは気にしないほう。 僕に分かるのは、クラブハウスやダグアウトで一緒に過ごしているショウは本当に普通の男だということ。野球をやる仲間の1人で、普通に家に帰るし、家族を愛しているし、僕らと同じことをする。ただ、彼にはスーパーパワーがあって、それを(フィールドで)よく見せている。 ──スーパーパワーとは、大谷選手の野球は超人的だということか。 あれはスーパーパワーとしか言いようがない。彼を動物に例えるならライオンかな。ジャングルの王者のように君臨するもの。なんでもできるのが彼だ。 ──大谷選手がライオンだったら、自分はどんな動物だと思う? 僕は鳥になりたいね。飛び回って、ロサンゼルスの渋滞に悩まされることなく好きなところに行きたい。でも野球をやっているときはチーターになりたいかな。脚が速かったら何でもできる気がするんだ。 ──ベッツ選手は20年2月にボストン・レッドソックスからドジャースにトレードされ、同年7月にドジャースと12年という長期契約を結んだ。当時ドジャースがそれほどの長期契約をするのは珍しく話題になったが、そこまでコミットできるドジャースはどんな球団なのか。 ドジャースは勝ちたい球団。彼らは毎日、毎年勝ちたくて努力している。僕もそう。ドジャース以上にそれがうまい球団、勝つ機会をくれる球団はない。 ──大谷選手も常に「勝ちたい」という言葉を口にしている。 ああ、僕らはいつだって勝つためにやっているからね。皆一緒さ。 ──今日も大谷選手と何か話している姿を見たが、彼とチームメイトでいることは楽しい? そうだね。彼とプレーするのはとても楽しいよ。 ──先ほど大谷選手は普通の男と話していたが、さすがに突然の結婚報告には驚いた? うーん、実際のところ、どっちでもいいんだよね。僕は彼が彼らしくいてくれればいいなとしか思っていない。 ただ、恐らく世界中が驚いたんじゃない? そういう意味で、ちょっとつらいなと思うのが、彼が結婚するのも大変、誰かに邪魔されずに外を歩くこともできない立場にあるということ。 自由がないのはしんどい。僕はそれをとても気の毒に思う。そこまで彼がすごいということだから、幸せなことなんだけど。 ──ドジャース移籍で大谷選手の知名度は確実に上がった。 彼はスーパーに買い物にも行けない。ドッグパークに犬を連れて行きたくてもできない。どこへ行っても人が追跡してくるだろう? ただ愛犬や妻や両親と散歩したいだけかもしれないのに、それができない。 僕らにとっては普通のこと、当たり前だから感謝するのを忘れてしまっているようなことが彼にはできないんだ。仕方のないことではあるけど、かなりつらいことだと僕は思う。 ──以前は、犬の散歩やスーパーへ買い出しにも行っていたようだが。 今はもう無理だよね。メディアが毎日、彼の家の前を張っているだろうから、行ける場所がない。世界で最高の選手でいることの宿命なんだろうけどさ。