誰もが守られるために 記者も語る 生活保護制度めぐりシンポジウム
誰もが必要な時に利用できる制度を
シンポジウムに富山から参加したのが3月の番組でも密着した西山貞義弁護士です。 西山弁護士は今年、生活保障の先進国ドイツやスウェーデンを訪ねて現地調査を行いました。 西山弁護士 「ドイツにおいては、司法権が憲法を根拠に『生存最低限度保障は人間の尊厳に直結する極めて重要な権利である』と宣言しました。日本においても我々司法が憲法を根拠として、立法や行政をリード、統制していく必要があります」 「当然の権利」として、誰もが必要な時に利用できる制度を目指して。 西山弁護士「生活保護受給は誰にでも起こりうる話なんですね。経済的な問題でやりたいことができない社会は絶対によくない。そういう社会を変えていきたいと思うので、皆がやりたいことをやれるような社会にするための生活保護ということになると思う」
生活保護費引き下げめぐり全国各地で裁判
ひと言に生活保護と言っても様々な問題があります。 富山では生活保護をめぐる裁判も起こされていますが、現在はどのような状況でしょうか。 国が行った生活保護費の大幅な引き下げを取り消すよう富山市の男性らが訴えた裁判は、富山地裁が今年1月に、「引き下げを取り消す」原告勝訴の判決を言い渡しました。 その後、被告の富山市と原告が控訴して開かれている控訴審は、来年2月の次回で結審し判決に向かうことになります。 全国でも同様の裁判が続いていて今後、最高裁がどのような判断を下すかもポイントとなります。 誰もが生きる権利を守られる社会に向けた取り組みの取材を続けたいと思います。