米中古住宅販売、10月に大きく増加-9月のローン金利低下が影響
(ブルームバーグ): 10月の米中古住宅販売件数は前月から増加。9月に住宅ローン金利が小幅に下げたことが影響し、今年2月以来の大幅増加となった。
販売件数は増加したものの、ローン金利の変動と在庫不足に住宅市場はなお圧迫されている。ローン金利は9月に2年ぶり水準に低下し、住宅購入者は契約の成約を急いだ。この契約が10月に完了し、今回の統計に反映された。
現在では買い手の借り入れコストは7%に迫っている。堅調な経済データに加え、トランプ氏が大統領選で当選したことで今後の利下げ幅が見通しづらくなった。
統計発表元である全米不動産業者協会(NAR)のチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「雇用の増加と経済成長の継続が確実視され、住宅需要の拡大につながっている」と発表資料で指摘。「住宅ローン金利は依然として高水準にあるが、安定に向かうと予想される」と述べた。
10月の中古住宅販売在庫は0.7%増の137万戸。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準を下回っているものの、増加傾向を続けている。
販売価格の中央値は前年同月から4%高い40万7200ドル(約6300万円)。NARのデータによれば、これまでどの年の10月よりも高額となった。
11月の米中古住宅販売件数には大型ハリケーン「ヘリーン」と「ミルトン」による影響が反映される可能性がある。住宅販売で最大市場の南部が被害に遭った。
中古住宅は米国で販売される住宅の大半を占める。統計の算出には契約完了時の数字が使われる。来週26日に発表される10月の新築住宅販売は、契約時の数字に基づく。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Existing-Home Sales Rose in October After Mortgage-Rate Drop(抜粋)
--取材協力:Chris Middleton.
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Michael Sasso